加藤シゲアキ「最もこじらせていた時期だった」作家生活10周年記念本でNEWS活動休止時期の心境を語る[文芸書ベストセラー]

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 10月4日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文芸書第1位は『転生したらスライムだった件 20』が獲得した。
 第2位は『ハヤブサ消防団』。第3位は『1と0と加藤シゲアキ』となった。

 今週3位に初登場の『1と0と加藤シゲアキ』は加藤シゲアキさんの作家生活10周年を記念した書籍。加藤さん本人による責任編集で作られており、他の作家との競作やインタビュー、戯曲や脚本、グラビアや書店員座談会など多種多様な内容で、幅広いジャンルの書き手として知られる加藤さんの現在を伺い知ることのできる一冊となっている。なかでも白眉は2万5千字に及ぶインタビュー。書評家でジャニーズアイドルにも詳しい大矢博子さんによるインタビューでは加藤さんは「書く」行為との出会いから、小説を手掛けるようになったきっかけ、アイドルとしての苦悩、直木賞ノミネート時の心境、文学界への思いなど赤裸々に告白している。

 加藤さんはインタビューで、小説を書く直前、自身が所属するグループNEWSの活動が止まった2010年頃を振り返り《最もこじらせていた時期だった》と語る。《仕事が月に3日しかない。暇を持て余して、淀んでいって。こじらせエネルギーだけはめちゃくちゃあるから戦いたいんだけど、何で戦ったらいいかわからない。このままじゃ見放されても仕方ないと思った》と当時の心境を振り返る。社長に直談判し小説を書くことを提案されると、一ヶ月半でデビュー作となる『ピンクとグレー』(KADOKAWA)を書き上げた、と原点となった作品執筆の経緯を語っている。

1位『転生したらスライムだった件 20』伏瀬[著](マイクロマガジン社)

シリーズ累計3000万部突破!最強転生ファンタジー最新刊いよいよ登場。(マイクロマガジン社ウェブサイトより)

2位『ハヤブサ消防団』池井戸潤[著](集英社)

ミステリ作家vs連続放火犯 のどかな集落を揺るがす闘い!東京での暮らしに見切りをつけ、亡き父の故郷であるハヤブサ地区に移り住んだミステリ作家の三馬太郎。地元の人の誘いで居酒屋を訪れた太郎は、消防団に勧誘される。迷った末に入団を決意した太郎だったが、やがてのどかな集落でひそかに進行していた事件の存在を知る───。連続放火事件に隠された真実とは? 地方の小さな町を舞台にした、池井戸作品初の”田園”小説として、「小説すばる」連載中から話題を呼んだ珠玉のミステリ。(集英社ウェブサイトより)

3位『1と0と加藤シゲアキ』加藤シゲアキ[文・編](KADOKAWA)

加藤シゲアキ責任編集!豪華クリエイター陣と共演するスペシャルブック(KADOKAWAウェブサイトより)

4位『「十二国記」30周年記念ガイドブック』新潮社[編](新潮社)

5位『その本は』又吉直樹[著]ヨシタケシンスケ[著](ポプラ社)

6位『おいしいごはんが食べられますように』高瀬隼子[著](講談社)

7位『invert II 覗き窓の死角』相沢沙呼[著](講談社)

8位『#真相をお話しします』結城真一郎[著](新潮社)

9位『リバー』奥田英朗[著](集英社)

10位『異世界ゆるり紀行13 子育てしながら冒険者します』水無月静琉[著](アルファポリス)

〈文芸書ランキング 10月4日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2022年10月8日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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