自分がどれほど「老害の人」かということに、本人はまったく気づいていない 内館牧子の「高齢者小説」がベストセラー1位

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 10月25日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文芸書第1位は『老害の人』が獲得した。
 第2位は『転生したらスライムだった件 20』。第3位は『異世界はスマートフォンとともに。27』となった。

 1位の『老害の人』は近年『終わった人』『すぐ死ぬんだから』『今度生まれたら』など様々なタイプの高齢者の生きざまを描いてきた内館牧子さんの新作。口を開けば過去の自慢話や若者への説教、趣味の話題の押しつけに、病気自慢。その話何度も聞いたよと言えるわけもなく……。人生百年時代、元気に「老後」を過ごす老人の数だけがどんどん増え、誰もが「老害」とは無縁でいられない社会。内館さんは様々な「老害」の姿を描きながらも、単なるレッテル貼りではなく、誰にもいつか来る老後をどう生きるべきかを問うている。物語はある老人の娘が《自分がどれほど「老害の人」かということに、当の本人はまったく気づいていないものだ。》と内心を吐露するシーンからはじまる。「こうはなりたくないねえ」と思っている人ほど、気をつけたほうが良いのかもしれない。

1位『老害の人』内館牧子[著](講談社)

『終わった人』『すぐ死ぬんだから』『今度生まれたら』に続く著者「高齢者小説」第4弾!(講談社ウェブサイトより抜粋)

2位『転生したらスライムだった件 20』伏瀬[著](マイクロマガジン社)

シリーズ累計3000万部突破!最強転生ファンタジー最新刊いよいよ登場。(マイクロマガジン社ウェブサイトより)

3位『異世界はスマートフォンとともに。27』冬原パトラ[著](ホビージャパン)

子供たちも8人合流し、さらににぎやかになった一行。 最後の娘であるステフはなんと内乱の真っただ中であるレファン王国にいるという情報を手に入れる。 早々に確保し、ほっと一息家へと戻ろうとする冬夜だが、どうやらレファン王国の継承者争いに巻き込まれてしまい――!? 大人気異世界ほのぼのファンタジー第27巻!(ホビージャパンウェブサイトより)

4位『ハヤブサ消防団』池井戸潤[著](集英社)

5位『淡海乃海 水面が揺れる時~三英傑に嫌われた不運な男、朽木基綱の逆襲~13』イスラーフィール[著](TOブックス)

6位『その本は』又吉直樹[著]ヨシタケシンスケ[著](ポプラ社)

7位『赤ずきん、ピノキオ拾って死体と出会う。』青柳碧人[著](双葉社)

8位『余りモノ異世界人の自由生活 勇者じゃないので勝手にやらせてもらいます 4』藤森フクロウ[著](アルファポリス)

9位『おいしいごはんが食べられますように』高瀬隼子[著](講談社)

10位『#真相をお話しします』結城真一郎[著](新潮社)

〈文芸書ランキング 10月25日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2022年10月29日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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