「新技術は警察捜査を進化させるが、いいこと尽くめとは限らない」『ストロベリーナイト』誉田哲也の直木賞候補作がランキングに初登場[文庫ベストセラー]

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 10月25日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文庫第1位は『一人二役 吉原裏同心(38)』が獲得した。
 第2位は『ライオンのおやつ』。第3位は『背中の蜘蛛』となった。

 3位に初登場の『背中の蜘蛛』は『ストロベリーナイト』(光文社)からはじまる姫川玲子シリーズで知られる誉田哲也さんが2019年に発表した警察小説。2020年第162回直木賞の候補作にも選ばれている。テクノロジーを駆使した新しい時代の警察の捜査方法を緻密に描き、“著者史上、もっとも尖った警察小説”と銘打たれている。コラムニストの香山二三郎さんは《新技術の導入は警察捜査を確実に進化させるが、いいこと尽くめとは限らない。本書は知られざるその闇をえぐり出した問題作》と紹介。《警察捜査のありかたを問いつつ、社会的弱者の悲劇をもリアルに浮き彫りにしてみせる。社会派警察小説に新たな局面を切り開く、警察小説ファンならずとも読み逃せない一冊》と評している。

1位『一人二役 吉原裏同心(38)』佐伯泰英[著](光文社)

長く廓の用心棒であった神守幹次郎が吉原を率いる八代目頭取四郎兵衛に就任、御免色里の大改革が始まった。会所を救う驚くべき「金策」に始まり、大胆な改革を行う新頭取への嫌がらせや邪魔が続く中、切見世を何軒も手中に収めた主夫妻が無残にも殺される。背後に控える悪党の狙いとは。新体制で一人二役を務める大忙しの幹次郎は、荒波を乗り越えられるか?(光文社ウェブサイトより)

2位『ライオンのおやつ』小川糸[著](ポプラ社)

男手ひとつで育ててくれた父のもとを離れ、ひとりで暮らしていた雫は病と闘っていたが、ある日医師から余命を告げられる。最後の日々を過ごす場所として、瀬戸内の島にあるホスピスを選んだ雫は、穏やかな島の景色の中で本当にしたかったことを考える。ホスピスでは、毎週日曜日、入居者が生きている間にもう一度食べたい思い出のおやつをリクエストできる「おやつの時間」があるのだが、雫は選べずにいた。(ポプラ社ウェブサイトより)

3位『背中の蜘蛛』誉田哲也[著](双葉社)

ついに、ここまできた――。前人未到、孤高の警察小説が誕生した。東京・池袋の路上で男の死体が発見された。目撃者もなく捜査は難航、しかし「あること」がきっかけになり捜査が急転。それから約半年後。東京・新木場で爆殺傷事件が発生。こちらもな捜査はなかなか進展しなかったが、「あること」が転換点となり容疑者が浮かぶ……。捜査に携わる管理官を中心に、新時代の警察捜査を濃密に描く。著者史上、もっとも尖った警察小説。(双葉社ウェブサイトより)

4位『駅の名は夜明 軌道春秋II』高田郁[著](双葉社)

5位『希望の糸』東野圭吾[著](講談社)

6位『ソードアート・オンライン27 ユナイタル・リングVI』川原礫[著](KADOKAWA)

7位『傲慢と善良』辻村深月[著](朝日新聞出版)

8位『准教授・高槻彰良の推察8 呪いの向こう側』澤村御影[著](KADOKAWA)

9位『倒産続きの彼女』新川帆立[著](宝島社)

10位『リコリス・リコイル Ordinary days』Spider Lily[原案・監修]アサウラ[著](KADOKAWA)

〈文庫ランキング 10月25日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2022年10月29日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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