伊坂幸太郎 競作文芸企画で発表した作品の創作秘話を文庫で明かす[文庫ベストセラー]

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 11月1日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文庫第1位は『ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編8』が獲得した。
 第2位は『ライオンのおやつ』。第3位は『背中の蜘蛛』となった。

 4位以下で注目は4位に初登場の『シーソーモンスター』。伊坂幸太郎さんが2019年に発表したエンターテイメント小説の文庫版。同作には2本の中編が収められており、どちらもは中央公論新社の文芸誌「小説BOC」で行われた競作企画「螺旋」プロジェクトのなかの作品。同企画には朝井リョウさんや吉田篤弘さん、乾ルカさんらが参加し、以下の3つのルールのもと競作が行われた。
・「海族」と「山族」、2つの種族の対立構造を描く
・全ての作品に同じ「隠れキャラクター」を登場させる
・任意で登場させられる共通アイテムが複数ある
『シーソーモンスター』に収録されている「シーソーモンスター」は昭和後期、「スピンモンスター」は近未来を舞台に「海」と「山」の争いが描かれている。文庫版には創作秘話が明かされたあとがきも収録されている。

1位『ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編8』衣笠彰梧[著](KADOKAWA)

「敵を知り己を知れば百戦危うからず。今回の修学旅行のテーマだ」(KADOKAWAウェブサイトより抜粋)

2位『ライオンのおやつ』小川糸[著](ポプラ社)

男手ひとつで育ててくれた父のもとを離れ、ひとりで暮らしていた雫は病と闘っていたが、ある日医師から余命を告げられる。最後の日々を過ごす場所として、瀬戸内の島にあるホスピスを選んだ雫は、穏やかな島の景色の中で本当にしたかったことを考える。ホスピスでは、毎週日曜日、入居者が生きている間にもう一度食べたい思い出のおやつをリクエストできる「おやつの時間」があるのだが、雫は選べずにいた。(ポプラ社ウェブサイトより)

3位『背中の蜘蛛』誉田哲也[著](双葉社)

ついに、ここまできた――。前人未到、孤高の警察小説が誕生した。東京・池袋の路上で男の死体が発見された。目撃者もなく捜査は難航、しかし「あること」がきっかけになり捜査が急転。それから約半年後。東京・新木場で爆殺傷事件が発生。こちらもな捜査はなかなか進展しなかったが、「あること」が転換点となり容疑者が浮かぶ……。捜査に携わる管理官を中心に、新時代の警察捜査を濃密に描く。著者史上、もっとも尖った警察小説。(双葉社ウェブサイトより)

4位『シーソーモンスター』伊坂幸太郎[著](中央公論新社)

5位『小説 すずめの戸締まり』新海誠[著](KADOKAWA)

6位『准教授・高槻彰良の推察8 呪いの向こう側』澤村御影[著](KADOKAWA)

7位『一人二役 吉原裏同心(38)』佐伯泰英[著](光文社)

8位『駅の名は夜明 軌道春秋II』高田郁[著](双葉社)

9位『母性』湊かなえ[著](新潮社)

10位『希望の糸』東野圭吾[著](講談社)

〈文庫ランキング 11月1日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2022年11月5日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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