「深夜特急」の沢木耕太郎が「どうしても書きたい」と願った旅人は第二次大戦中にアジアを旅した「密偵」だった[ノンフィクションベストセラー]

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 11月1日トーハンの週間ベストセラーが発表され、ノンフィクション・ライトエッセイ第1位は『夜は猫といっしょ 4』が獲得した。
 第2位は『20代で得た知見』。第3位は『ゴーマニズム宣言SPECIAL ウクライナ戦争論』となった。

 4位以下で注目は9位に初登場の『天路の旅人』。『深夜特急』の沢木耕太郎さんによるノンフィクション。第二次大戦末期、中国大陸の奥深くまで「密偵」として潜入した日本人・西川一三氏の旅の真髄に迫った一冊だ。西川一三氏は蒙古人ラマ僧のふりをし、内蒙古からチベット、インド、ブータン、ネパールなどを8年間旅し、インドで逮捕。日本に送り返されてからは自らの旅を記した『秘境西域八年の潜行』を書き上げ、盛岡で商売をしながら2008年に亡くなった。沢木さんは25年前に西川氏に興味を持ち、生前の西川氏と何度も会いインタビューを続けていた。一旦は交流が途絶えたものの、西川氏の没後、彼の妻や『秘境西域八年の潜行』の生原稿に出会い、「この稀有な旅人のことをどうしても書きたい」と執筆を続けたという。沢木氏のノンフィクションとしても最長の作品で新たな「旅文学」の金字塔だ。

1位『夜は猫といっしょ 4』キュルZ[著](KADOKAWA)

猫がいれば自然と元気がわいてくる累計40万部突破!アニメ好評配信中!つれない君もいとおしい。猫との暮らしがリアルによみがえる猫の不思議な生態を確かな筆致で描く大人気猫マンガ第4弾。(KADOKAWAウェブサイトより)

2位『20代で得た知見』F[著](KADOKAWA)

人生は忘れがたい断片にいくつ出会い、心動かされたかで決まる(KADOKAWAウェブサイトより)

3位『ゴーマニズム宣言SPECIAL ウクライナ戦争論』小林よしのり[著](扶桑社)

帝国主義の時代に“逆回転”する世界――。日本は戦争の当事国となる覚悟はあるのか?(扶桑社ウェブサイトより抜粋)

4位『疲れた人に夜食を届ける出前店』中山有香里[著](KADOKAWA)

5位『自民党の統一教会汚染 追跡3000日』鈴木エイト[著](小学館)

6位『欧米の謀略を打ち破り よみがえるロシア帝国』副島隆彦[著]佐藤優[著](ビジネス社)

7位『にゃんこ四字熟語辞典』西川清史[著](飛鳥新社)

8位『87歳、古い団地で愉しむ ひとりの暮らし』多良美智子[著](すばる舎)

9位『天路の旅人』沢木耕太郎[著](新潮社)

10位『禁断の中国史』百田尚樹[著](飛鳥新社)

〈ノンフィクション・ライトエッセイランキング 11月1日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2022年11月5日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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