『虎のたましい人魚の涙』
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『虎のたましい人魚の涙』くどうれいん著
[レビュアー] 産経新聞社
短歌や小説、絵本などジャンル横断的に活躍する新鋭作家によるエッセー集。文芸誌「群像」の連載「日日是目分量」に、書き下ろし1編を加えて書籍化した。
通勤時に「琥珀(こはく)のピアス」を衝動買いした際のエピソードをつづった表題作や、人前で歌えるようになるきっかけをつくってくれたかつての恋人への思いを記した「歌の丘」、4年勤めた職場を執筆活動のために辞めた日を振り返る「おめでとうございますさようなら」など23編が並ぶ。
東北の地で暮らす日常を、ユーモアやオノマトペを交えて伸びやかな文章で表現した、みずみずしい一冊。(講談社・1540円)