「ずばぬけてきれいだけれど性格が悪い」米澤穂信の青春ミステリ『本と鍵の季節』続編に新たな女子高生キャラクター[文芸書ベストセラー]

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 11月8日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文芸書第1位は『栞と嘘の季節』が獲得した。
 第2位は『老害の人』。第3位は『赤ずきん、ピノキオ拾って死体と出会う。』となった。

 1位に初登場の『栞と嘘の季節』は米澤穂信さんの連作青春ミステリ『本と鍵の季節』の続編。高校二年生の二人組が主人公。二人は図書委員を務めながら舞い込む様々な厄介事や頼まれごとと向き合う。いずれもささやかな謎ながらも青春の香りのするほろ苦い連作ミステリとなっており、書評家の大矢博子さんは前作『本と鍵の季節』の書評で《収録されている謎解きは趣向こそ違えど、第二話以外はすべて何かを「探す」話である。それは高校生という、何かを探して足掻(あが)く年頃のメタファのように思える。今日という日の意味を、友達の本心を、今はできないことを託す将来の自分を探し続けて少年たちは大人になる。本書は、今の自分では出せない結論を、それでも懸命に探す若者の物語なのだ。》と解説。《若い世代はもちろん、その日々を通ってきた大人の読者にもぜひ読んでいただきたい》と薦めている。続編となる今作は前作の2ヶ月後を描き、図書委員二人に加え、「ずばぬけてきれいだけれど性格が悪い」と評される女子高生も登場し、事件に絡む。

1位『栞と嘘の季節』米澤穂信[著](集英社)

ベストセラー『本と鍵の季節』(図書委員シリーズ)待望の続編!直木賞受賞第一作 猛毒の栞をめぐる、幾重もの嘘。(集英社ウェブサイトより)

2位『老害の人』内館牧子[著](講談社)

『終わった人』『すぐ死ぬんだから』『今度生まれたら』に続く著者「高齢者小説」第4弾!(講談社ウェブサイトより抜粋)

3位『赤ずきん、ピノキオ拾って死体と出会う。』青柳碧人[著](双葉社)

前作『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』でミステリー界に衝撃のデビューを果たした赤ずきんに相棒ができました。その名はピノキオ!とある目的があって一緒に旅をするのですが、ゆく先々でまたもや事件が発生します。『白雪姫』『ハーメルンの笛吹き男』『三匹の子豚』……。世界のみんなが知っている童話をベースにした連作本格ミステリ第二弾。今作も、あの決め台詞が炸裂します。(双葉社ウェブサイトより)

4位『ハヤブサ消防団』池井戸潤[著](集英社)

5位『その本は』又吉直樹[著]ヨシタケシンスケ[著](ポプラ社)

6位『転生したらスライムだった件 20』伏瀬[著](マイクロマガジン社)

7位『#真相をお話しします』結城真一郎[著](新潮社)

8位『おいしいごはんが食べられますように』高瀬隼子[著](講談社)

9位『幸福とは何ぞや 増補新版』佐藤愛子[著](中央公論新社)

10位『エルフさんの魔法料理店 1 妖精女王として転生したけれど、まずはのんびりお料理作りまくります!』夜塊織夢[著](アース・スターエンターテイメント)

〈文芸書ランキング 11月8日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2022年11月12日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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