ロシア軍事の専門家・小泉悠による「ウクライナ戦争」徹底分析本に注目[新書ベストセラー]

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 12月20日トーハンの週間ベストセラーが発表され、新書第1位は『日本史を暴く 戦国の怪物から幕末の闇まで』が獲得した。
 第2位は『バカと無知 -人間、この不都合な生きもの-』。第3位は『成熟スイッチ』となった。

 4位以下で注目は7位にランクインした『ウクライナ戦争』。ロシア軍事・安全保障の専門家、小泉悠さんが2022年2月に始まり世界を一変させた歴史的事件の本質を分析した一冊。なぜ始まったのか、プーチンの野望とは、戦場でいま起きていいること、核兵器使用の可能性、世界大戦への広がりは、いつどうしたら終わるのか、ウクライナ戦争をめぐる様々な疑問に答える一冊となっている。小泉さんは9月にも7人の識者と語り合った対談集『ウクライナ戦争の200日』を文春新書から刊行している。こちらは批評家の東浩紀さん、芥川賞作家で元自衛官の砂川文治さん、防衛省防衛研究所の高橋杉雄さん、アニメ監督の片渕須直さん、漫画家のヤマザキマリさん、ドイツ人翻訳家のマライ・メントラインさん、ルポライターの安田峰俊さんとバラエティに富んだ面々と様々な視点から語り合っており、本書で解説された状況を多面的に理解したい読者には参考になるだろう。

1位『日本史を暴く 戦国の怪物から幕末の闇まで』磯田道史[著](中央公論新社)

歴史には裏がある。古文書を一つずつ解読すると、教科書に書かれた「表の歴史」では触れられない意外な事実が見えてくる。明智光秀が織田信長を欺けた理由、信長の遺体の行方、江戸でカブトムシが不人気だった背景、忍者の悲惨な死に方、赤穂浪士が「吉良の首」で行った奇妙な儀式、漏洩していた孝明天皇の病床記録……。古文書と格闘し続ける著者が明らかにした、戦国、江戸、幕末の「歴史の裏側」がここにある。(中央公論新社ウェブサイトより)

2位『バカと無知 -人間、この不都合な生きもの-』橘玲[著](新潮社)

正義のウラに潜む快感、善意の名を借りた他人へのマウンティング、差別、偏見、記憶……人間というのは、ものすごくやっかいな存在だが、希望がないわけではない。一人でも多くの人が「人間の本性=バカと無知の壁」に気づき、自らの言動に多少の注意を払うようになれば、もう少し生きやすい世の中になるのではないだろうか。科学的知見から、「きれいごと社会」の残酷すぎる真実を解き明かす最新作。(新潮社ウェブサイトより)

3位『成熟スイッチ』林真理子[著](講談社)

昨日とは少し違う自分になる「成熟スイッチ」はすぐそこにある――。ベストセラー『野心のすすめ』から9年、人気作家が成熟世代におくる待望の人生論新書。日大理事長就任、「老い」との近づき方など、自身の成熟の現在地を明かしながら、「人間関係の心得」「世間を渡る作法」ほか四つの成熟のテーマについて綴っていく。先輩・後輩世代とのつき合い方、自分の株が上がる「お礼」の方法、会話を面白くする「毒」の入れ方など、著者ならではの成熟テクニックが詰まった一冊!(講談社ウェブサイトより)

4位『80歳の壁』和田秀樹[著](幻冬舎)

5位『世界のニュースを日本人は何も知らない4 -前代未聞の事態に揺らぐ価値観-』谷本真由美[著](ワニブックス)

6位『死は存在しない 最先端量子科学が示す新たな仮説』田坂広志[著](光文社)

7位『ウクライナ戦争』小泉悠[著](筑摩書房)

8位『人類の起源 古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」』篠田謙一[著](中央公論新社)

9位『70歳が老化の分かれ道 若さを持続する人、一気に衰える人の違い』和田秀樹[著](詩想社)

10位『誰が国家を殺すのか 日本人へV』塩野七生[著](文藝春秋)

〈新書ランキング 12月20日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2022年12月24日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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