【産経の本】『世界史の中の満州国』岡村青著

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■日本側から見たその実像は

果たして満州国は中国政府が主張する通り、日本に捏造(ねつぞう)された「偽満州」だったのか-。本書はこの疑問に対し「侵略」「植民地」「傀儡(かいらい)」の3つのキーワードを軸に、ありのままの満州国を伝えている。

満州国が誕生したのは昭和7年3月。多くの国から認知された独立国家である。だが、中国はこの「満州国」という言葉を忌み嫌い、「偽満州国」と表現する。日本が武力で領土を奪い、でっちあげた国家だと主張するのである。

こうした日本非難に対し著者は、誤りはきっちりと正し、毅然(きぜん)と反論すべきだと強調する。

たとえば満鉄沿線の所有権および行政権だが、これは明治38(1905)年のポーツマス条約によってロシアから譲渡された合法的権利である。そして建国後は、国民の自由と権利が認められた人権保障法がしかれ、日本は治外法権を撤廃した。

本書ではこうした事実が丹念につづられ、中国のいう「侵略」や「植民地」がいかに根拠のない欺瞞(ぎまん)であるかが理解できるのである。

誕生から昭和20年の崩壊まで、日本人にこそ知ってほしい満州国の姿を分かりやすく解き明かしている。文庫書き下ろし。(産経NF文庫・980円)

産経新聞
2022年12月24日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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