「現代日本に足りないのが“選択と集中”とよく分かる」「しゃばけ」の畠中恵が初めて実在の人物を描いた歴史小説が初登場[文庫ベストセラー]

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 1月11日トーハンの週間ベストセラーが発表され、第1位は『荒ぶるや 空也十番勝負(九)』が獲得した。
 第2位は『小説 すずめの戸締まり』。第3位は『かがみの孤城 上』となった。

 4位以下で注目は6位と8位にランクインした『わが殿』上下巻。時代ファンタジー小説「しゃばけ」シリーズで知られる畠中恵さんが初めて実在の人物をモチーフに描いた歴史小説。多額の借金を抱えた大野藩を立て直すために藩主の土井利忠と、側仕えの大小姓・内山七郎右衛門が奮闘する物語。文芸評論家の末國善己さんは《魅力的な登場人物やユーモラスな展開といった持ち味が活かされているので、〈しゃばけ〉〈まんまこと〉シリーズのファンは、戸惑うことなく物語に入っていけるはずだ》と太鼓判。幕末という時代の変革期を舞台としており《利忠と七郎右衛門は、無駄な支出は反対派が多くても削減する一方で、未来の希望を作る事業であれば苦労をしてでも財源を作って、財政再建と領民の幸福を両立させようとする。七郎右衛門たちの奮闘を読むと、同じく赤字財政の現代日本に足りないのが、“選択と集中”だということがよく分かる。》と変化の只中にある現代の我々にも響くテーマであると解説している。

1位『荒ぶるや 空也十番勝負(九)』佐伯泰英[著](文藝春秋)

祇園での予期せぬ出会い。そして、薩摩最後の刺客!京の都。祇園感神院の西ノ御門前で空也は、往来の華やかさに圧倒されていた。法被を着た白髪髷の古老が空也の長身に目をつけ、ある提案を持ちかける。姥捨の郷では眉月や霧子たちが空也の到着を待ちわび、遠く江戸の神保小路で母おこんや父磐音がその動向を案じる中、空也の武者修行は思わぬ展開を迎えることになる。そこへ、薩摩に縁がある武芸者の影が忍び寄り……。(文藝春秋ウェブサイトより)

2位『小説 すずめの戸締まり』新海誠[著](KADOKAWA)

扉の向こうにはすべての時間があった。新海誠自らが綴る原作小説!(KADOKAWAウェブサイトより抜粋)

3位『かがみの孤城 上』辻村深月[著](ポプラ社)

居場所のない彼らが集められた理由。全てが明らかになる時、驚きと大きな感動に包まれる。本屋大賞受賞、堂々8冠のベストセラー(ポプラ社ウェブサイトより)

4位『かがみの孤城 下』辻村深月[著](ポプラ社)

5位『三千円の使いかた』原田ひ香[著](中央公論新社)

6位『わが殿 上』畠中恵[著](文藝春秋)

7位『傲慢と善良』辻村深月[著](朝日新聞出版)

8位『わが殿 下』畠中恵[著](文藝春秋)

9位『希望の糸』東野圭吾[著](講談社)

10位『母性』湊かなえ[著](新潮社)

〈文庫ランキング 1月11日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2023年1月14日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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