【気になる！】新書　『森林に何が起きているのか』吉川賢著

近年、世界各地で発生した大規模な森林火災について、森林科学の研究者が考察。主因と考えられる気候変動への対策を提言する。

林業は二酸化炭素削減に貢献できると著者は言う。森林には光合成によって炭素を吸収し貯蔵する機能があり、吸収量が減った老齢林を伐採し、跡地に植林すれば再び吸収するからだ。

だが、日本では昭和３０年代の木材輸入自由化で林業が衰退し、旺盛に吸収する年齢の森林が減少。林業技術が継承されず、林業科が残っている高校は平成２０年時点で５校という。森林を巡る課題を多角的に論じており、読み応えがある。（中公新書・９２４円）

• 中央公論新社
• 産経新聞社
• 森林に何が起きているのか-気候変動が招く崩壊の連鎖
• 吉川賢

• 
• 
•