直木賞受賞作『地図と拳』を『同志少女よ、敵を撃て』の作者・逢坂冬馬が解説[文芸書ベストセラー]

ニュース

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

 1月24日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文芸書第1位は『審議官-隠蔽捜査9.5-』が獲得した。
 第2位は『名探偵のままでいて』。第3位は『#真相をお話しします』となった。

 4位以下で注目は6位にランクインした『地図と拳』。1月19日に発表された第168回直木賞の受賞作。満州の架空の町を舞台とし、日露戦争前夜から第二次大戦後までを背景に、理想郷を築こうとする様々な立場の人々が交錯する一大絵巻となっている。『同志少女よ、敵を撃て』(早川書房)の著者・逢坂冬馬さんは同作の書評で、タイトルとなっている「地図」と「拳」を《地図という営為、 拳という愚行》と解説。《架空の街李家鎮を主人公として、人間の理想と暴力が相克する姿を捉えた、人間の営みの物語である。圧倒的な厚さにおののく必要はない。物理的な厚さにみあった重厚な物語と、小川哲らしい奇妙で愛すべき登場人物(謎の特訓で鋼鉄の体を身につけた「孫悟空(ソンウーコン)」、ひたすら気温に没頭する明男(あけお)などなど)を前に、あなたも李家鎮に魅了されてしまうだろう。》と紹介している。

1位『審議官-隠蔽捜査9.5-』今野敏[著](新潮社)

米軍から特別捜査官を迎えた件で、警察庁に呼び出された竜崎伸也。審議官からの追及に、竜崎が取った行動とは――(表題作)。竜崎の周囲で日々まき起こる、本編では描かれなかった9つの物語。家族や大森署、神奈川県警の面々など名脇役も活躍する、大人気シリーズ待望のスピンオフ。本書のための特別書き下しも収録!(新潮社ウェブサイトより)

2位『名探偵のままでいて』小西マサテル[著](宝島社)

「認知症の老人」が「名探偵」たりうるのか?孫娘の持ち込む様々な「謎」に挑む老人。日々の出来事の果てにある真相とは――?認知症の祖父が安楽椅子探偵となり、不可能犯罪に対する名推理を披露する連作ミステリー!(宝島社ウェブサイトより)

3位『#真相をお話しします』結城真一郎[著](新潮社)

子供が四人しかいない島で、僕らは「YouTuber」になることにした。でも、ある事件を境に島のひとたちがよそよそしくなっていって……(「#拡散希望」)。日本の〈いま〉とミステリが禁断の融合!緻密で大胆な構成と容赦ない「どんでん返し」の波状攻撃に瞠目せよ。日本推理作家協会賞受賞作を含む、痺れる五篇。(新潮社ウェブサイトより)

4位『信じていた仲間達にダンジョン奥地で殺されかけたがギフト『無限ガチャ』でレベル9999の仲間達を手に入れて元パーティーメンバーと世界に復讐&『ざまぁ!』します! 6』明鏡シスイ[著](ホビージャパン)

5位『新しいゲーム始めました。 ~使命もないのに最強です?~6』じゃがバター[著](TOブックス)

6位『地図と拳』小川哲[著](集英社)

7位『爆弾』呉勝浩[著](講談社)

8位『災悪のアヴァロン 2 ~学年最下位の“悪役デブ”だった俺、さらなる強化で昇級チャレンジ&美少女クラスメイトとチーム結成します~』鳴沢明人[著](ホビージャパン)

9位『転生幼女はあきらめない 8』カヤ[著](一二三書房)

10位『老害の人』内館牧子[著](講談社)

〈文芸書ランキング 1月24日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2023年1月28日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク