「生きるということは、心の軋みを慈しみながら日々を過ごしていくこと」脳科学者・中野信子の新著が話題[新書ベストセラー]

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 2月14日トーハンの週間ベストセラーが発表され、新書第1位は『日本史を暴く 戦国の怪物から幕末の闇まで』が獲得した。
 第2位は『成熟スイッチ』。第3位は『バカと無知 -人間、この不都合な生きもの-』となった。

 4位以下で注目は7位にランクインした『脳の闇』。脳科学の中野信子さんが脳の仕組みとはたらきをひもときながら、承認欲求と不安、行き過ぎた正義と他者へのバッシング、ポジティブ思考の落とし穴など、私たちが無意識のうちに抱えこんでしまう深い闇と、それがもたらす現代社会の病理について考察した一冊。本書で中野さんは、ある意味厄介とも言える脳の働きを自身で体験した過去を振り返りながら話を進める。そのうえで、脳が生み出す悩みや心の軋みを抱えながらあがくことが人間の生というものであり、それがヒトの進化にとっては都合がよかったと語り、《生きるということは、軋みを慈しみながら日々を過ごしていくことだろう》と冷静に述べている。

1位『日本史を暴く 戦国の怪物から幕末の闇まで』磯田道史[著](中央公論新社)

歴史には裏がある。古文書を一つずつ解読すると、教科書に書かれた「表の歴史」では触れられない意外な事実が見えてくる。明智光秀が織田信長を欺けた理由、信長の遺体の行方、江戸でカブトムシが不人気だった背景、忍者の悲惨な死に方、赤穂浪士が「吉良の首」で行った奇妙な儀式、漏洩していた孝明天皇の病床記録……。古文書と格闘し続ける著者が明らかにした、戦国、江戸、幕末の「歴史の裏側」がここにある。(中央公論新社ウェブサイトより)

2位『成熟スイッチ』林真理子[著](講談社)

昨日とは少し違う自分になる「成熟スイッチ」はすぐそこにある――。ベストセラー『野心のすすめ』から9年、人気作家が成熟世代におくる待望の人生論新書。日大理事長就任、「老い」との近づき方など、自身の成熟の現在地を明かしながら、「人間関係の心得」「世間を渡る作法」ほか四つの成熟のテーマについて綴っていく。先輩・後輩世代とのつき合い方、自分の株が上がる「お礼」の方法、会話を面白くする「毒」の入れ方など、著者ならではの成熟テクニックが詰まった一冊!(講談社ウェブサイトより)

3位『バカと無知 -人間、この不都合な生きもの-』橘玲[著](新潮社)

正義のウラに潜む快感、善意の名を借りた他人へのマウンティング、差別、偏見、記憶……人間というのは、ものすごくやっかいな存在だが、希望がないわけではない。一人でも多くの人が「人間の本性=バカと無知の壁」に気づき、自らの言動に多少の注意を払うようになれば、もう少し生きやすい世の中になるのではないだろうか。科学的知見から、「きれいごと社会」の残酷すぎる真実を解き明かす最新作。(新潮社ウェブサイトより)

4位『死は存在しない 最先端量子科学が示す新たな仮説』田坂広志[著](光文社)

5位『80歳の壁』和田秀樹[著](幻冬舎)

6位『ゼロからの『資本論』』斎藤幸平[著](NHK出版)

7位『脳の闇』中野信子[著](新潮社)

8位『人類の起源 古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」』篠田謙一[著](中央公論新社)

9位『未来の年表 業界大変化 瀬戸際の日本で起きること』河合雅司[著](講談社)

10位『世界のニュースを日本人は何も知らない4 -前代未聞の事態に揺らぐ価値観-』谷本真由美[著](ワニブックス)

〈新書ランキング 2月14日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2023年2月19日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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