【気になる!】文庫『流人道中記』浅田次郎著

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流人道中記 上

『流人道中記 上』

著者
浅田, 次郎, 1951-
出版社
中央公論新社
ISBN
9784122073159
価格
858円(税込)

書籍情報:openBD

流人道中記 下

『流人道中記 下』

著者
浅田, 次郎, 1951-
出版社
中央公論新社
ISBN
9784122073166
価格
858円(税込)

書籍情報:openBD

【気になる!】文庫『流人道中記』浅田次郎著

[レビュアー] 産経新聞社

武士の支配が終わる頃の物語。不義密通の罪に問われた旗本、青山玄蕃(げんば)は切腹を「痛(いて)えから」と得心せず、蝦夷(えぞ)松前藩へ流罪とされる。玄蕃と押送人の町奉行所見習い与力、石川乙次郎が奥州街道を北へ進むにつれ、玄蕃を巡る謎が深まる。

破廉恥漢のはずの玄蕃が、旅中で出会う人生に行き詰まった人々に手を差し伸べる。その姿を見て、乙次郎は罪なき人々を救わぬ法と武士の生き方を問う。

19歳の乙次郎の成長物語。途中の宿場でドラマが起こる道中物でもある。飢饉(ききん)の兆候がある盛岡領の情景も読みどころ。令和2年刊行の時代小説を文庫化。(中公文庫・上下各858円)

産経新聞
2023年2月26日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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