【気になる!】新書 『教養としての日本の城 どのように進化し、消えていったか』香原斗志著

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【気になる!】新書 『教養としての日本の城 どのように進化し、消えていったか』香原斗志著

[レビュアー] 産経新聞社

土の城から石垣の城へ-。戦国時代末期、日本の城は急速に姿を変えていった。その背景には、宣教師からもたらされた西洋城郭の情報があったと著者はにらむ。安土城から五稜郭までの17城について、なぜその形状になったかという視点で、時代状況や文化とからめつつ論じていく。

短期間に劇的な発展を遂げた日本の城だが、大坂の陣が終わり新規築城が原則禁止されると、その歩みを止める。幕府の厳しい規制下で、少しでも立派に見せようといじましい工夫が凝らされた停滞期の城の読み解きが特に面白い。(平凡社新書・1012円)

産経新聞
2023年3月5日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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