1月に亡くなった目黒考二さん 北方謙三の「チンギス紀」のラストを予想していた[文芸書ベストセラー]
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- チンギス紀 十六 蒼氓
- 価格:1,760円(税込)
4月4日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文芸書第1位は『魔女と過ごした七日間』が獲得した。
第2位は『やさしさを忘れぬうちに』。第3位は『月と散文』となった。
4位以下で注目は5位にランクインした『チンギス紀 十六 蒼氓』。北方謙三さんがモンゴル帝国を築いたチンギス・カンとその係累たちの活躍を描いたスケールの大きな作品の第16巻。北方さんの「水滸伝」19巻・「楊令伝」15巻・「岳飛伝」17巻の合計51巻に及ぶ大水滸伝シリーズに連なる作品として描かれ、親から子、子から孫へと何代にも及ぶ一大絵巻となっている。舞台も中華からモンゴル、中央アジア、東ヨーロッパにまで広がっている。
今年1月に亡くなった目黒考二さんは文芸評論家としてのペンネーム・北上次郎名義で「チンギス紀」15巻を評している。目黒さんは大水滸伝との繋がりを解説し《「大水滸伝」を未読の方がいらっしゃるのならば、『チンギス紀』を読み終えたら、「大水滸伝」に遡ることをおすすめしたい。至福の読書があなたを待っているはずだ。》と薦める。そして《この『チンギス紀』のラストは、チンギス・カンとマルガーシの対決だろうと思ったものの、第15巻を最後まで読むと、ホラズム国皇子ジャラールッディーンとチンギス・カンの対決こそ、この大河小説のラストにふさわしいという気がしてくる。おお、どっちなんだ。》と大著の終幕を予想しながら、《いまの時点では皆目見当もつかないが、終盤直前の緊迫感が物語全体に漲(みなぎ)っていることだけは確かである。あともう少しだ。最後まで行く末を見届けたい。》と述べていた。熱い書評で読者をいざない、我々に数々の本との出会いを届けてくれた目黒さんに心より哀悼の意を表します。
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- 魔女と過ごした七日間
- 価格:1,980円(税込)
1位『魔女と過ごした七日間』東野圭吾[著](KADOKAWA)
AIによる監視システムが強化された日本。 指名手配犯捜しのスペシャリストだった元刑事が殺された。 「あたしなりに推理する。その気があるなら、ついてきて」 不思議な女性・円華に導かれ、父を亡くした少年の冒険が始まる。 少年の冒険×警察ミステリ×空想科学 記念すべき著作100作目、圧巻の傑作誕生!(KADOKAWAウェブサイトより)
2位『やさしさを忘れぬうちに』川口俊和[著](サンマーク出版)
ハリウッド映像化! 世界320万部ベストセラーの 『コーヒーが冷めないうちに』、第5巻が発売!(サンマーク出版ウェブサイトより抜粋)
3位『月と散文』又吉直樹[著](KADOKAWA)
いろんなものが失くなってしまった日常だけれど、窓の外の夜空には月は出ていて、書き掛けの散文だけは確かにあった―― 16万部超のベストセラー『東京百景』から10年。又吉直樹の新作エッセイ集が待望の発売!(KADOKAWAウェブサイトより)
4位『魔法使いで引きこもり?14 ~モフモフと回る魔法学院文化祭~』小鳥屋エム[著](KADOKAWA)
5位『チンギス紀 十六 蒼氓』北方謙三[著](集英社)
6位『転生したら剣でした 15』棚架ユウ[著](マイクロマガジン社)
7位『怪人デスマーチの退転』西尾維新[著](講談社)
8位『#真相をお話しします』結城真一郎[著](新潮社)
9位『成瀬は天下を取りにいく』宮島未奈[著](新潮社)
10位『転生したら才能があった件 ~異世界行っても努力する~』けん[著](双葉社)
〈文芸書ランキング 4月4日トーハン調べ〉
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