「SEKAI NO OWARI」Saori 壮絶な妊娠・出産体験を綴ったエッセイを発表[文芸書ベストセラー]

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 5月2日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文芸書第1位は『街とその不確かな壁』が獲得した。
 第2位は『汝、星のごとく』。第3位は『くもをさがす』となった。

 今週の1位から3位は先週と変わらず。4位以下で注目は9位に初登場の『ざくろちゃん、はじめまして』。4人組バンド「SEKAI NO OWARI」でSaoriとしてピアノや演出、作詞、作曲を担当する藤崎彩織さんによるエッセイ。2017年に結婚した藤崎さんが、妊娠・出産とその後の育児まで、壮絶な体験を包み隠さずに綴った書き下ろしエッセイとなっている。タイトルは妊娠後、初めて訪れた産婦人科で、医師から「ざくろの種ぐらいの大きさですよ」といわれたところから。妊娠による不安と戸惑い、悪阻で苦しんだ日々や膨らむ被害妄想、そして産後うつ。コントロールできなくなっていく体と心を抱えながらアーティストとしての仕事を続ける苦労。そんななかで気づいた夫の思い、メンバーからのメッセージまで。6年間の笑って泣ける日々を赤裸々に綴った一冊となっている。

 藤崎さんは刊行にあたり《初めての妊娠出産、育児をしていると、あまりに大変なことが起きるので、何が正解だったのか、どうしたらよかったのかと思い悩むことばかりでした。でも、だからこそ、 この本をどうしても書きたいと思いました。性別に関係なくお読み頂けたら嬉しいです。》とコメントを発表している。

1位『街とその不確かな壁』村上春樹[著](新潮社)

十七歳と十六歳の夏の夕暮れ……川面を風が静かに吹き抜けていく。彼女の細い指は、私の指に何かをこっそり語りかける。何か大事な、言葉にはできないことを――高い壁と望楼、図書館の暗闇、古い夢、そしてきみの面影。自分の居場所はいったいどこにあるのだろう。村上春樹が長く封印してきた「物語」の扉が、いま開かれる。(新潮社ウェブサイトより)

2位『汝、星のごとく』凪良ゆう[著](講談社)

その愛は、あまりにも切ない。正しさに縛られ、愛に呪われ、それでもわたしたちは生きていく。本屋大賞受賞作『流浪の月』著者の、心の奥深くに響く最高傑作。ーーわたしは愛する男のために人生を誤りたい。風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂(かい)。ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。生きることの自由さと不自由さを描き続けてきた著者が紡ぐ、ひとつではない愛の物語。ーーまともな人間なんてものは幻想だ。俺たちは自らを生きるしかない。(講談社ウェブサイトより抜粋)

3位『くもをさがす』西加奈子[著](河出書房新社)

カナダで、がんになった。「私は弱い。徹底的に弱い」。でもーーあなたに、これを読んでほしいと思った。祈りと決意に満ちた著者初のノンフィクション。(河出書房新社ウェブサイトより)

4位『とんでもスキルで異世界放浪メシ 14 クリームコロッケ×邪教の終焉』江口連[著](オーバーラップ)

5位『異世界のんびり農家 15』内藤騎之介[著](KADOKAWA)

6位『魔女と過ごした七日間』東野圭吾[著](KADOKAWA)

7位『アラフォー賢者の異世界生活日記 18』寿安清[著](KADOKAWA)

8位『君のクイズ』小川哲[著](朝日新聞出版)

9位『ざくろちゃん、はじめまして』藤崎彩織[著](水鈴社)

10位『成瀬は天下を取りにいく』宮島未奈[著](新潮社)

〈文芸書ランキング 5月2日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2023年5月6日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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