【話題の本】「油っぽい」を覆す 『あたらしい家中華』酒徒著

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中華料理の「油っぽい」「味が濃い」といったイメージを覆す中国家庭料理の本。「安徽省(あんきしょう)のおばちゃん直伝のスープ」「陝西人(せんせいじん)のソウルフード」-。鶏ガラや甜麺醤(てんめんじゃん)、豆板醤といった中華調味料を使わず、シンプルな味で野菜たっぷりのレシピを収録。ブロッコリーを下ゆでする際に油を入れたり、炒め物の途中で追い油をしたりなど、油の使い方を丁寧に記す。時短や簡単レシピが重宝される風潮がある中、ひと工夫を加えた手順が好評だ。

会社員の著者は、中国留学や駐在員生活中に食べ歩き感動した味を再現、投稿サイトでレシピを紹介し人気を呼んでいる。多くの人の興味を引いた要因を「家庭料理が日本ではまだ知られていない」と分析する。

10月19日に発売。神奈川県や東京都などで店舗を展開する書店チェーン「有隣堂」の週間総合ランキング(11月5~11日、全店調べ)で10位に。SNS(交流サイト)を使った著者の発信力に加え、初回配本時に応援書店限定小冊子(ハレの日用レシピ)を配布した効果などもあるとみられる。版元によると、年内に5万部を突破する勢いだという。収録した78品は著者自ら調理した。趣味が高じて出版に至った一冊には、情熱が詰まっている。(1650円・マガジンハウス)

寺田理恵(文化部)

産経新聞
2023年11月18日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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