冷凍食品の食べ過ぎには注意が必要だが…(画像はイメージ)
3食を決まった時間に摂り、栄養が偏らないようしたい。そう思いつつも忙しい日は食事の用意もままならないこともあります。
そんなとき重宝するのがレトルトなどの保存食品です。しかし、レトルト食品の利用と健康についての常識は近年大きく変わりつつありますが、手作りに比べて栄養面や添加物の健康面を心配する人も多いことでしょう。
では、長生きするためには、レトルトなどの保存食を使うくらいなら食事を一品減らすのがいいのでしょうか? それともレトルトなどの保存食を利用したほうがいいのでしょうか?
医師の答えは?
<A:「レトルトなどの保存食は体に悪い」といって食事を減らし、一日に必要な栄養を摂れなくなるのは本末転倒。忙しい日は美味しく食べられる保存食を有効活用しよう>
その理由を「主治医が見つかる診療所」(テレビ東京系列)にレギュラー出演中の秋津壽男医師の著書『100歳まで元気なのはどっち? 長生きする人・しない人の習慣』より一部抜粋・編集してご紹介します。
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冷凍食品の食べ過ぎには注意が必要です。加工技術の進歩によってどんどん美味しくなっていますが、これは風味を保つための添加物としてリン酸塩を使っているからです。
リンは必須ミネラルのひとつですが、とり過ぎると、それを処理するために腎臓に負担がかかってしまうので、注意する必要があります。
また、レトルト食品は缶詰と一緒で、長期保存を可能にするために食品を加熱殺菌しており、その過程でビタミンやミネラルの一部はダメージを受けて失われてしまいます。
そのため、一度の食事にレトルト食品だけでなく野菜のサラダを一緒に食べるなどして栄養を補ったほうがいいでしょう。
ここまで聞くと、保存食は体に悪いのかと心配になるかもしれません。
しかし、保存食について正しく理解して、上手に利用するならば問題はありません。
たとえば、みそ汁を毎日作るのは面倒だけれど、レトルト食品は栄養が偏るからと結局みそ汁を飲まないのであれば、栄養バランスは崩れたままになります。日々の仕事や家事で忙しくて、なかなかバランスのとれた食事を用意できない。そんなときは、レトルト食品などの保存食を利用して食事を楽しんだほうがいいでしょう。
また、保存食の製造技術は大きく向上しました。特に、フリーズドライは栄養や味、香りをほとんど損なうことなく保存できるため、重宝されるようになっています。
フリーズドライは、凍結した食材を真空に近い状態において水分をとばす加工方法です。真空状態では水の沸点が下がるため、固体は溶けて液体にならずに、そのまま水蒸気へと変わります。そのため、食品中の水分がゼロに近くなり長期保存が可能になります。
また、加工の過程で加熱をしないため、栄養と風味は損なわれにくい上に、常温で保存できるので保存料を使用する必要もありません。
保存食の製造技術は向上し、料理に時間をかけられない人の健康を支えるものになっています。それぞれの特徴を理解して上手に利用しましょう。
秋津壽男(あきつ・としお)
秋津医院院長。日本内科学会認定総合内科専門医、日本循環器学会認定循環器専門医、日本医師会公認スポーツドクター、日本体育協会公認スポーツドクター、日本禁煙学会認定禁煙専門医。1954年(昭和29年)和歌山県生まれ。1977年大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をし、和歌山県立医科大学医学部に入学。1986年に同大学を卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコー等を学ぶ。その後、東京労災病院等を経て、1998年に品川区戸越銀座に秋津医院を開業。現在、『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)にレギュラー出演中。著書に『放っておくとこわい症状大全』(ダイヤモンド社)等がある。
秋津壽男(秋津医院院長)
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