【話題の本】『一生食べ続けられる中華そば』小野員裕著 鶏ガラ豚ガラ人柄50店

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著者は5月1日、心筋梗塞で亡くなった。64歳だった。突然の訃報はゴールデンウイークに、ネットニュースを中心に広まってB級グルメファンらを驚かせた。

横浜市にあった「横濱カレーミュージアム」初代名誉館長でカレー研究家として知られた。飲食に関する書籍は多く、定食屋、居酒屋、洋食屋、町中華など1万店超の大衆店を食べ歩いた。塩分を取りすぎないようにとラーメンスープは飲み干すことはせずに味の確認にとどめるなど、健康に気を使っていたという。

長年通った50店とラーメンにまつわるコラムを掲載。「『鶏ガラ豚ガラ人柄』に尽きると思う。(中略)大将や女将(おかみ)さんの穏やかな顔を眺め、古びた店内で食らう一杯。一生食べ続けられるラーメンってそんなもんじゃないかな」と書く。「鶏ガラ~」は、ラーメン評論家の故武内伸氏に教えてもらった〝名言〟だ。油ギトギトではないしょうゆ味は、確かに齢を重ねても食べられそう。

2月末に発売された。版元によると、著者が亡くなり、交流サイト(SNS)や口コミで注文が増えている。本書で紹介した店の食べ歩きを始めたファンもいるという。多くのB級グルメの遺稿があり、次作の出版が計画されている。(八重洲出版・1650円)

斎藤浩

産経新聞
2024年6月8日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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