ミステリランキング2冠達成 直木賞にもノミネートされた極上ミステリ『爆弾』が文庫で登場[文庫ベストセラー]

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 7月23日トーハンの週間ベストセラーが発表され、第1位は『さらば故里よ 助太刀稼業(一)』が獲得した。
 第2位は『百年の孤独』。第3位は『N』となった。

4位以下で注目は4位に初登場の『爆弾』。2022年4月に刊行され、『このミステリーがすごい!2023年版』と『ミステリが読みたい! 2023年版』2つのミステリランキングで国内篇1位に輝き、その年の第167回直木賞にもノミネートされた作品だ。連続爆破事件を“予言”した正体不明の男と警察との頭脳戦を描いた極上ミステリ。警察に連行された冴えない「スズキタゴサク」を名乗る中年の酔っぱらい男。男は秋葉原で起こる爆発事件を予告し、実際に爆発が起こる。男はさらに3度の爆発があると警察に語り、それを止めようとする警察との知恵比べを始める。果たして男は何を狙い、警察は爆発を止められるのか。

 書評家の大矢博子さんは刊行時の書評で同作を《まさに爆弾並の威力を持つ新刊》と評し、《スズキと警察の知恵比べである。これがもうべらぼうに面白い。彼の饒舌な喋りのどこにヒントがあるのか。警察は果たして次の爆発を止められるのか。スズキとは何者なのか。そして彼の真の狙いは何なのか。いくつもの謎が錯綜し、そのひとつひとつに意外な展開が用意されており、読んでいる間、まったく油断できない。言葉遊びに仕掛けられた頭脳戦と、爆弾を探して緊迫の中を駆け回る現場のサスペンス、その両方が見事に融合して読者を放さないのだ。》《その果てに見えてくるのは、今の日本を覆う不寛容と悪意である。その落とし所はどこか。読者の胸の深いところに爆弾を仕掛けて、物語は幕を閉じる。実に上手い。》と手放しの称賛を与えている。

1位『さらば故里よ 助太刀稼業(一)』佐伯泰英[著](文藝春秋)

毛利藩を飛び出した武士コンビの冒険!新シリーズ時代は文化文政。豊後毛利家の徒士並・神石嘉一郎は貧しい生活を強いられていたが、三神流の遣い手として、武士の勤めを果たしていた。しかしある日、身に覚えのない罪を着せられて脱藩を余儀なくされてしまう。豊後を離れて、大阪へ向かう船で嘉一郎を待ち構えていたのは、豊後毛利藩の三男で、藩では「控え」「もどき若様」などと軽んじられていた毛利助八郎。この助八郎が家宝の刀を持って藩から抜けようとしたことで、騒ぎは大きくなっていき?ーなぜか旅をともにすることになったものの、カネもない、伝手もない。果たしてこの「負け組コンビ」に未来はあるのか?(文藝春秋ウェブサイトより)

2位『百年の孤独』G.ガルシア=マルケス[著]鼓直[訳](新潮社)

蜃気楼の村マコンドを開墾しながら、愛なき世界を生きる孤独な一族、その百年の物語。錬金術に魅了される家長。いとこでもある妻とその子供たち。そしてどこからか到来する文明の印……。目も眩むような不思議な出来事が延々と続くが、予言者が羊皮紙に書き残した謎が解読された時、一族の波乱に満ちた歴史は劇的な最後を迎えるのだった。世界的ベストセラーとなった20世紀文学屈指の傑作。(新潮社ウェブサイトより)

3位『N』道尾秀介[著](集英社)

読む順番で、世界が変わる。全6章、あなた自身がつくる720通りの物語。「本書は6つの章で構成されていますが、読む順番は自由です。はじめに、それぞれの章の冒頭部分だけが書かれています。読みたいと思った章を選び、そのページに移動してください。物語のかたちは、6×5×4×3×2×1=720通り。読者の皆様に、自分だけの物語を体験していただければ幸いです。/著者より」未知の読書体験を約束する、前代未聞の一冊! この物語をつくるのは、あなたです。すべての始まりは何だったのか。結末はいったいどこにあるのか。(集英社ウェブサイトより抜粋)

4位『爆弾』呉勝浩[著](講談社)

5位『辻番奮闘記 六 離任』上田秀人[著](集英社)

6位『くらのかみ』小野不由美[著](講談社)

7位『アルジャーノンに花束を〔新版〕』ダニエル・キイス[著]小尾芙佐[訳](早川書房)

8位『赤と青のガウン オックスフォード留学記』彬子女王[著](PHP研究所)

9位『白鳥とコウモリ(上)』東野圭吾[著](幻冬舎)

10位『白鳥とコウモリ(下)』東野圭吾[著](幻冬舎)

〈文庫ランキング 7月23日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2024年7月27日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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