「僕」を縛るものの、正体は―― カンザキイオリ 自身の楽曲をもとにした3年ぶりの小説がランクイン[文芸書ベストセラー]

ニュース

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

 9月3日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文芸書第1位は『成瀬は天下を取りにいく』が獲得した。
 第2位は『成瀬は信じた道をいく』。第3位は『暗殺』となった。

 4位以下で注目は9位に初登場の『自由に捕らわれる。』。カンザキイオリさん3年ぶりの新作小説。カンザキさんはYouTubeやニコニコ動画でボーカロイドを使った楽曲制作に始まり、小説、ライブ、作曲とマルチに活躍するアーティスト。小説家としては2020年、自身の楽曲をもとにした同名小説『あの夏が飽和する。』(河出書房新社)でデビュー。今作も2018年に発表したヒット曲「自由に捕らわれる。」をもとにした青春サスペンス小説。今作から生まれた楽曲7曲を収録したCDが同梱される特装完全版も同時発売となっている。

 カンザキさんは刊行にあたり《自由というものを漠然と、誰もが心の隅で渇望しているように思います。 しかし、誰かのために、何かのために、自分以外の何かを思った瞬間、自分の感情だけを優先して動けなくなります。 愛がある限り、獣にはなれないし、自由になんてなれないのです。 それはとても辛いことである一方、私たちが人間であるという証拠ではないでしょうか? この作品が、何かに捕らわれながらも、それと向き合って強く生きている人たちの心に寄り添い、 少しでもそれぞれの人生の選択を手助けできたらと、願っています。》とコメントを発表している。

1位『成瀬は天下を取りにいく』宮島未奈[著](新潮社)

中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。コロナ禍、閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。さらにはM-1に挑み、実験のため坊主頭にし、二百歳まで生きると堂々宣言。今日も全力で我が道を突き進む成瀬から、誰もが目を離せない!話題沸騰、圧巻のデビュー作。(新潮社ウェブサイトより)

2位『成瀬は信じた道をいく』宮島未奈[著](新潮社)

成瀬の人生は、今日も誰かと交差する。「ゼゼカラ」ファンの小学生、娘の受験を見守る父、近所のクレーマー主婦、観光大使になるべく育った女子大生……。個性豊かな面々が新たに成瀬あかり史に名を刻む中、幼馴染の島崎が故郷へ帰ると、成瀬が書置きを残して失踪しており……!?読み応え、ますますパワーアップの全5篇!(新潮社ウェブサイトより)

3位『暗殺』柴田哲孝[著](幻冬舎)

元総理が凶弾に倒れ、その場にいた一人の男が捕まった。日本の未来を奪った2発の弾丸。本当に”彼”が、元総理を撃ったのか?日本を震撼させた実際の事件をモチーフに膨大な取材で描く、傑作サスペンス。(幻冬舎ウェブサイトより)

4位『ツミデミック』一穂ミチ[著](光文社)

5位『近畿地方のある場所について』背筋[著](KADOKAWA)

6位『バリ山行』松永K三蔵[著](講談社)

7位『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。ANOTHER』汐見夏衛[著](スターツ出版)

8位『クスノキの女神』東野圭吾[著](実業之日本社)

9位『自由に捕らわれる。』カンザキイオリ[著](河出書房新社)

10位『わたしの知る花』町田そのこ[著](中央公論新社)

〈文芸書ランキング 9月3日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2024年9月7日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク