少女が持つ「壊れた甕」が“体の一部”をほのめかす…西洋絵画に描かれた「シンボル」の意味を解説した一冊が初登場1位[新書ベストセラー]

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 10月16日トーハンの週間ベストセラーが発表され、新書第1位は『カラー版 西洋絵画のお約束 謎を解く50のキーワード』が獲得した。
 第2位は『学力喪失 認知科学による回復への道筋』。第3位は『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』となった。

 1位に初登場の『カラー版 西洋絵画のお約束 謎を解く50のキーワード』は「怖い絵」シリーズや「名画で読み解く 12の物語」シリーズなど、西洋絵画に秘められた意味を解き明かすエッセイで知られる中野京子さんによる一冊。薔薇・百合などの植物、天秤・十字架などの道具、道化・聖母マリアなどの人物、目隠し・骸骨などの身体など、西洋絵画に繰り返し登場するシンボルには意味があった。それらは「絵の言語」でありその意味を読むことで画家が伝えたかったメッセージが伝わってくるという。表紙にはジャン=バティスト・グルーズの「壊れた甕」が描かれ、その意味が明かされている他、図版120点が収録されており、わかりやすいと好評。芸術の秋、同書を片手に美術館散歩はいかがだろう。

1位『カラー版 西洋絵画のお約束 謎を解く50のキーワード』中野京子[著](中央公論新社)

絵画に描かれた美女が誰か、あなたは即座にわかるだろうか。そばに薔薇があればヴィーナス。百合が添えられていればマリア。皿を捧げていればサロメ。剣を携えていればユーディト。ちょっとした知識があれば、隠された画家からのメッセージを探りあてることができる。「見て・感じる」だけではわからない、絵を読み解く手がかりをテーマ別に解説。この本を読めば、鑑賞体験はもっと豊かなものになる。図版120点収録。(中央公論新社ウェブサイトより)

2位『学力喪失 認知科学による回復への道筋』今井むつみ[著](岩波書店)

子どもたちが本来の「学ぶ力」を学校で発揮できないのはなぜか。学力の躓きの原因を認知科学の知見から解明し、希望をひらく。(岩波書店ウェブサイトより)

3位『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』三宅香帆[著](集英社)

「大人になってから、読書を楽しめなくなった」「仕事に追われて、趣味が楽しめない」「疲れていると、スマホを見て時間をつぶしてしまう」……そのような悩みを抱えている人は少なくないのではないか。「仕事と趣味が両立できない」という苦しみは、いかにして生まれたのか。自らも兼業での執筆活動をおこなってきた著者が、労働と読書の歴史をひもとき、日本人の「仕事と読書」のあり方の変遷を辿る。そこから明らかになる、日本の労働の問題点とは?すべての本好き・趣味人に向けた渾身の作。(集英社ウェブサイトより)

4位『老後ひとり難民』沢村香苗[著](幻冬舎)

5位『老いの深み』黒井千次[著](中央公論新社)

6位『異次元緩和の罪と罰』山本謙三[著](講談社)

7位『人類はどこで間違えたのか 土とヒトの生命誌』中村桂子[著](中央公論新社)

8位『日ソ戦争 帝国日本最後の戦い』麻田雅文[著](中央公論新社)

9位『「わかりやすさ」を疑え』飯田浩司[著](SBクリエイティブ)

10位『放送禁止。「あさ8」で知るニュースの真相』百田尚樹[著]有本香[著](飛鳥新社)

〈新書ランキング 10月16日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2024年10月19日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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