株式市場400年の歴史をみれば「正解」が見えてくる 膨大なデータと取材に基づくニコラ・ベルべ著『年1時間で億になる投資の正解』試し読み

試し読み

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 投資にリスクはつきものだ。だが、投資しないのはもっとリスクだ――それはなぜか? 数ある投資術に“正解”などあるのか?

 各賞受賞の実力派経済記者が、自身の体験と著名投資家や金融機関への取材、膨大な公開データから“ほったらかし投資”の極意を示す。カナダ発の世界的ベストセラー『年1時間で億になる投資の正解』に、日本版オリジナル「投資の10カ条」を加筆収録。年1時間の運用チェックでやがて資産が億になる、投資の最適解とは。

 大反響の同書より、著者のニコラ・ベルべ氏が日本の読者にあてた冒頭のメッセージと、「はじめに」の一部を公開する。

日本の読者のみなさんへ

 最初にはっきり申し上げましょう。本書を読めば手っ取り早い解決策や成功が手に入るわけではありません。みなさんが億万長者になることを保証するわけでもありません。そんなことを確約できる本など存在しないでしょう。

 この本で描いたのは一つの旅の物語です。僕自身が資産運用の知識と能力を手に入れ、最終的には自分と家族のためにより良い未来を手に入れるために歩んできた旅路です。

 執筆を始めたとき、僕のなかには明確な目標がありました。投資に関心を持つ人々の株式市場への理解を深め、一見恐ろしいこの世界をわたっていくための最新のツールと正しいマインドセットを提供することです。このメッセージの可能性に気づき、日本の読者へつないでくださった新潮社には心から感謝していますし、日本で本書を出版できることを大変嬉しく思っています。

 本書は中立的立場からの入念な研究に裏づけられ、時の試練に耐えた原則に基づいたガイドブックです。地図といってもいいでしょう。とりわけ強調しているのが教育、辛抱強さ、規律ある意思決定の大切さです。いずれも長期的に富を蓄積していくうえで不可欠の要素です。

 株式市場は新しく変化の激しい“今時”のものに思えるかもしれません。でも実は400年以上の歴史があります。そして成功のカギは昔からあまり変わっていないのです。本書を読めばわかるはずです。

 僕の母国カナダやアメリカなど多くの国々とさほど違いはないと思いますが、新NISAの導入といった近年の動きから、日本でも個人の資産運用をめぐる状況が大きく変わりつつあると聞きます。若い世代を中心に金融リテラシーが必要という認識が高まる一方、恐れや不確実性、必要なアドバイスが得られないといったさまざまな要因から、人々の認識と行動のあいだにはまだギャップがあることも変わらないかもしれません。

ニコラ・ベルベ(Berube,Nicolas)
1977年カナダ生まれ。金融ジャーナリスト、カナダの大手新聞ラ・プレスの経済記者。同紙初の米西海岸特派員として活動、全国新聞賞など各賞を受賞。カリフォルニア州ロサンゼルス在住。『年1時間で億になる投資の正解』は当初フランス語版がカナダで出版、ベストセラーとなり、世界各国で刊行の予定。

2024年10月24日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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