芸人が人に薦めたい「推し本」を集めた『俺の推し本。マガジン Vol.1』発売!

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芸人のファビアン(左)とピストジャム(右)

 12月1日に「文学フリマ東京39」で先行発売される同人誌『第一芸人文芸部 俺の推し本。マガジン Vol.1』は、芸人たちが心を動かされた本を紹介する書評誌だ。BSよしもとで放送されているブックバラエティ番組『第一芸人文芸部 俺の推し本。』初の公式本となる。

「第一芸人文芸部」とは、ピースの又吉直樹を中心に、文学を愛する芸人たちの集い。これまでに又吉が編集長を務める文芸誌『第一芸人文芸部』の発行といった活動を展開している。『俺の推し本。マガジン』は、第一芸人文芸部の部員であるピストジャムとファビアンが編集と執筆を手がけた。

 ピストジャムは10本の書評とエッセイ、ファビアンは5本の書評と3本のショートショートを寄稿した。また、7月から10月までに放送された『第一芸人文芸部 俺の推し本。』1stシーズンの総括も掲載している。一冊で計60冊の「芸人の心を燃やす神本」が紹介される。

 この雑誌に込めた想いや第一芸人文芸部としての活動についてを、ピストジャムとファビアンの二人に聞いた。

――書評誌『第一芸人文芸部 俺の推し本。マガジン』の発行に至った経緯は。


『第一芸人文芸部 俺の推し本。マガジン Vol.1』

ピストジャム これまで僕たちは第一芸人文芸部としての活動の一環として、東京で開催される文学フリマに参加し、又吉さんが編集長の文芸誌『第一芸人文芸部』を発表してきました。

ファビアン 2023年12月の文学フリマ東京37で創刊準備号、2024年5月の文学フリマ東京38で創刊準備二号の発売を開始しています。

ピストジャム この2号の『第一芸人文芸部』は、限られた販路で発売している同人誌で、全国の書店で発売する創刊に向けての準備の段階という位置づけです。

ファビアン 創刊準備三号、あるいは創刊号になるかもしれませんが、『第一芸人文芸部』の新作はまだ企画中です。2024年12月の文学フリマ東京39も参加することになった際、やはり第一芸人文芸部としての新作は発表したいと考え、文芸誌とは別の雑誌として『俺の推し本。マガジン』の企画にたどりつきました。

ピストジャム 今年の7月にBSよしもとで僕とファビアンがレギュラー出演するブックバラエティ番組『第一芸人文芸部 俺の推し本。』の放送がスタートしていて、この番組をベースに本をつくれないかと着想しました。

ファビアン 『第一芸人文芸部 俺の推し本。』は、芸人が人に薦めたい「推し本」を持ち寄って、プレゼンしあう番組です。そのエッセンスを『俺の推し本。マガジン』では書評というかたちで凝縮しました。

――制作過程を振り返ってどうだったか。完成した本を見ての手応えやこだわったポイントは。

ピストジャム 『第一芸人文芸部』の創刊準備号と創刊準備二号は又吉さんが編集長として主導してくださいましたが、『俺の推し本。マガジン』は初めて僕とファビアンの二人だけでつくったのが新鮮で楽しかったです。

ファビアン いつもは又吉さんに背中を押される感じだったのですが、それがなかったので、気が引き締まりました。多少は自立できたのかなという実感もあります。

ピストジャム 創刊準備号と創刊準備二号では、僕は書評だけ、ファビアンはショートショートだけでしたが、『俺の推し本。マガジン』では僕はエッセイも書きましたし、ファビアンも書評を書いています。新たなチャレンジという意味でもいい経験になったかと思います。

ファビアン 読むことから書くことまで、第一芸人文芸部の部員としての活動の幅が広がっているという手応えも感じました。

ピストジャム 単なる書評ではなく、書評のなかに必ず自分自身の体験談も織り交ぜることを意識しました。書評として取り上げた本を読みたくなる文章というだけではなく、僕自身のエッセイとしても面白く読めるというものを目指しています。
ファビアン 僕はなんでその本を読むことになったのかという本との出会いも書くことにこだわりました。書評家だったら読むのは当り前なのでそこは省いているかもしれないけれども、普通の人にとって本との出会いって大切だと思ったからです。

芸人の心を燃やす60冊の神本

 2024年7月にBSよしもとでレギュラー放送が開始されたブックバラエティ「第一芸人文芸部 俺の推し本。」。本好き芸人が集まり、人に薦めたい「推し本」を、舞台でつちかった話術を駆使してプレゼンしあう。

 初の公式本となる本書では、番組レギュラーで第一芸人文芸部部員のピストジャムとファビアンの書評を掲載するほか、ピストジャムのエッセイ、ファビアンのショートショートとそれぞれの新作を発表している。

 さらに番組1stシーズン全話の映像を視聴できるQRコードも掲載。そこで紹介された作品をリストで総ざらいしつつ、その軌跡をピストジャムとファビアンが振り返る。

 爆発力、破壊力、激情……。表現者としての芸人の魂を刺激してやまない60作品を推す。文学と笑いが交錯する、これまでにない書評誌が誕生!

●書評 読後綴り〜波紋 ピストジャム
彬子女王「赤と青のガウン オックスフォード留学記」(PHP研究所)
柞刈湯葉「横浜駅SF」(KADOKAWA)
井上先斗「イッツ·ダ·ボム」(文藝春秋)
円城塔「コード·ブッダ 機械仏教史縁起」(文藝春秋)
太田愛「幻夏」(角川書店)
キム·ホヨン「不便なコンビニ」(小学館)
久永実木彦「わたしたちの怪獣」(東京創元社)
マット·ヘイグ「ミッドナイト·ライブラリー」(ハーパーコリンズ·ジャパン)
満島ひかり 又吉直樹「軽いノリノリのイルカ」(マガジンハウス)
宮島未奈「成瀬は天下を取りにいく」(新潮社)

●書評 紙上 詩情 私情 ファビアン
朝井リョウ「桐島、部活やめるってよ」(集英社文庫)
さまだまし「眉山」(幻冬舎文庫)
九段理江「東京都同情塔」(新潮社)
呉勝浩「爆弾」(講談社文庫)
筒井康隆「くたばれPTA」(新潮文庫)

●シモキタブラボー!——下北沢で拾い集めた言葉たち ピストジャム

●ショートショート——むかしばなしの向こうがわ ファビアン

●「第一芸人文芸部 俺の推し本。」1stシーズン全15話プレイバック

※2024年12月1日に開催される文学フリマ東京39で先行発売。以降、FANY Mallで販売するほか、全国の提携書店などで取扱を予定。

第一芸人文芸部
2024年11月25日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

吉本興業

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吉本興業株式会社「第一芸人文芸部」のご案内

感傷が生み出す爆発力、繊細さが導き出す破壊力、優しさがもたらす激情……。ピースの又吉直樹が文学を愛する芸人を集めて立ち上げたコミュニティ「第一芸人文芸部」。その活動の一環として、遊び心と情熱の文芸誌『第一芸人文芸部』が、又吉直樹を編集長として生み出された。2023年11月に創刊準備号、2024年5月に創刊準備二号を発行。これまでに又吉直樹のほか、ピストジャム、ファビアン、山名文和、村上健志、トニーフランク、赤嶺総理が執筆している。現在、メンバーとスタッフで本格的な創刊に向けて、日々、準備中。

▼『第一芸人文芸部』創刊準備二号
https://mall.fany.lol/collections/laugh-peace-art-goods-shop/products/p0000048976
▼『第一芸人文芸部』創刊準備号
https://mall.fany.lol/collections/laugh-peace-art-goods-shop/products/p0000042044