『バカの壁』シリーズ最新作『人生の壁』を上梓した養老孟司 自身の「がん」で死生観は変わったのか?[新書ベストセラー]

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 11月26日トーハンの週間ベストセラーが発表され、新書第1位は『人生の壁』が獲得した。
 第2位は『荒木飛呂彦の新・漫画術 悪役の作り方』。第3位は『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』となった。

 1位の『人生の壁』は『バカの壁』(新潮社)からはじまった養老孟司さんの人気シリーズ7作目。今作は「人生」をテーマに養老さんが自身の人生も振り返りながら、悩み多き現代人に「こう考えたら楽になるのでは」と優しく語りかけた1冊となっている。まえがきやあとがきでは今年自身の身に降り掛かった「がん」についても言及しており、それにより死生観は変わったかと編集者に問われたと述べ、《十一月で八十七歳になる老人がいまさら死生観を変えるわけもなく、いつもの通りで、ただボンヤリ日常を過ごしています。》と述懐している。ただし《私という病人に対して、家族や親しい友人たち、医師たちが親身で心配してくれるのを感じて、申し訳ないと思ったのです。本人が自分自身の人生について、いわばもう少し本気で愛情を感じていないと申し訳ないんじゃないか》と自分自身への関心のあり方について「反省(?)」したと告白している。

1位『人生の壁』養老孟司[著](新潮社)

生きていくうえで壁にぶつからない人はいない。それをどう乗り越えるか。どう上手にかわすか。「子どもは大人の予備軍ではない」「嫌なことをやってわかることがある」「人の気持ちは論理だけでは変わらない」「居心地の良い場所を見つけることが大切」「生きる意味を過剰に考えすぎてはいけない」――自身の幼年期から今日までを振り返りつつ、誰にとっても厄介な「人生の壁」を越える知恵を正面から語る。(新潮社ウェブサイトより)

2位『荒木飛呂彦の新・漫画術 悪役の作り方』荒木飛呂彦[著](集英社)

世界の16の国と地域で翻訳刊行されるなど、いまや古典となった『荒木飛呂彦の漫画術』(集英社新書)から10年。だが、ある時、『漫画術』を読んで漫画家になった人もいるとしたら、「もうちょっと深い話も伝えておかなければならないのではないか」と、荒木は考えた。『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズをはじめとした荒木作品に登場する名悪役たちの魅力とリアリティはどのように生まれるのか?漫画の王道を歩み続けるために必要なことは?いまだ語られなかった、漫画家・荒木飛呂彦の「企業秘密」を掘り下げた、新・漫画術。(集英社ウェブサイトより)

3位『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』三宅香帆[著](集英社)

「大人になってから、読書を楽しめなくなった」「仕事に追われて、趣味が楽しめない」「疲れていると、スマホを見て時間をつぶしてしまう」……そのような悩みを抱えている人は少なくないのではないか。「仕事と趣味が両立できない」という苦しみは、いかにして生まれたのか。自らも兼業での執筆活動をおこなってきた著者が、労働と読書の歴史をひもとき、日本人の「仕事と読書」のあり方の変遷を辿る。そこから明らかになる、日本の労働の問題点とは?すべての本好き・趣味人に向けた渾身の作。(集英社ウェブサイトより)

4位『加耶/任那―古代朝鮮に倭の拠点はあったか』仁藤敦史[著](中央公論新社)

5位『日ソ戦争 帝国日本最後の戦い』麻田雅文[著](中央公論新社)

6位『カラー版 西洋絵画のお約束 謎を解く50のキーワード』中野京子[著](中央公論新社)

7位『ほんとうの日本経済 データが示す「これから起こること」』坂本貴志[著](講談社)

8位『地方消滅2 加速する少子化と新たな人口ビジョン』人口戦略会議[編著](中央公論新社)

9位『答え合わせ』石田明[著](マガジンハウス)

10位『立命館がすごい』西山昭彦[著](PHP研究所)

〈新書ランキング 11月26日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2024年11月30日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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