「神仙は皆、社畜」西遊記の裏側を描いた中国ミステリ 昨年末ミステリランキング1位の馬伯庸 新作が発売[ノベルスベストセラー]

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 1月15日トーハンの週間ベストセラーが発表され、ノベルス第1位は『天使たちの課外活動11 星と大地の芸能祭』が獲得した。
 第2位は『岸辺露伴は嗤わない 短編小説集』。第3位は『【推しの子】 ~二人のエチュード~』となった。

 4位以下で注目は5位に初登場の『西遊記事変』。作者は中国の歴史小説家・馬伯庸氏。馬氏は昨年、日本ではじめて長編小説が翻訳され大きな注目を浴びた作家。当該の『両京十五日 I ―凶兆―・II ―天命―』は15世紀を舞台に明の皇太子が南京から北京への決死行に挑む冒険ミステリ小説。立ちはだかる強敵たちとの戦いや史実を下敷きにした熱い展開が話題となり、昨年末に発表された『このミステリーがすごい! 2025年版』で海外編1位を獲得する高評価となった。

 今作『西遊記事変』は中国の古典「西遊記」の裏側を描いたエンタメミステリ。西遊記の旅を企画(プロデュース)する命を帯びた仙人を主人公に、神仙や菩薩、同僚の仙人、妖怪たちの間で奔走する様子が描かれる「お仕事小説」とも読める。訳者あとがきによると原著の表紙には「天庭の神仙は皆な社畜」とのコピーが書かれているという。馬氏は現代中国を代表する歴史・SF作家で、日本で出版されている書籍としては『折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー』『金色昔日【こんじきせきじつ】』(いずれも早川書房)でも短編を読むことができる。

1位『天使たちの課外活動11 星と大地の芸能祭』茅田砂胡[著](中央公論新社)

ルウのカミハラが炸裂し、惑星トゥルークの楽聖サーナン・ドルガンが連邦大学惑星に出向くことに。ドルガンという高位僧侶の初の渡航ということで、トゥルークの僧院関係者は大騒ぎで……。(中央公論新社ウェブサイトより)

2位『岸辺露伴は嗤わない 短編小説集』柴田勝家[著]荒木飛呂彦[原作](集英社)

杜王町在住の人気漫画家・岸辺露伴。類稀なる好奇心を持つ男が出会う、この世ならざる奇怪な出来事とは……!?露伴がイタリアで手に入れた“何の変哲もない”人形の正体(曰くのない人形)。美しい庭園に潜む恐ろしい秘密(ペア・リペア)。ある過疎地に伝わる、一生に一度だけ見ることのできる神事(不見神事)。露伴の作品を愛する、ひとりのファンの奇譚(ファン・鏑木八平太の場合)。4つの物語を収録した小説集。(集英社ウェブサイトより)

3位『【推しの子】 ~二人のエチュード~』赤坂アカ[著]横槍メンゴ[著]田中創[小説](集英社)

有馬かなと黒川あかねは、来月出演するW主演舞台の稽古として即興劇を演じていた。映画「15年の嘘」から時が経ち、お互い実力派若手女優と称されるまでになったが、相変わらず仲は悪い。結果、稽古のはずがただの罵り合いになってしまっていた。舞台の先行きを不安に思う二人だったが、ふと過去に共に挑んだ“ある舞台のオーディション”を思い出す。それは二人の関係が、今へと至るきっかけとなった出来事で…!?有馬かなと黒川あかねの過去と未来を描いた小説版第2弾!!(集英社ウェブサイトより)

4位『アオのハコ Prologue』三浦糀[原作]七緒[小説](集英社)

5位『西遊記事変』馬伯庸[著]齊藤正高[訳](早川書房)

6位『銀魂 3年Z組銀八先生 すぺしゃる それゆけ大球技大会』空知英秋[著]大崎知仁[著](集英社)

7位『SAKAMOTO DAYS 殺し屋ブルース』鈴木祐斗[原作]岬れんか[小説](集英社)

8位『機動部隊旗艦「大和」3 珊瑚海再戦』横山信義[著](中央公論新社)

9位『大統領奪還指令2 自衛隊、籠城す』大石英司[著](中央公論新社)

10位『【推しの子】 ~一番星のスピカ~』赤坂アカ[著]横槍メンゴ[著]田中創[小説](集英社)

〈ノベルスランキング 1月15日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2025年1月18日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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