「異様な殺害手口にこだわる不気味な犯罪者」大沢在昌「新宿鮫」最新刊がノベルス化 ハードボイルドシリーズは「謎解きを柱にした捜査小説へ」[ノベルスベストセラー]

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 1月28日トーハンの週間ベストセラーが発表され、ノベルス第1位は『QED 恵比寿の漂流』が獲得した。
 第2位は『黒石 新宿鮫XII』。第3位は『天使たちの課外活動11 星と大地の芸能祭』となった。

 2位に初登場の『黒石 新宿鮫12』は大沢在昌さんの人気警察小説シリーズ「新宿鮫」の最新作。今作では新宿署の鮫島刑事が追い続ける犯罪集団「金石」で起こった内部抗争と、そこで暗躍する殺人者「黒石」の物語を描く。2022年11月に単行本で出版され、25年1月22日にノベルス版が発売された。

 書評家の若林踏さんは同作に登場する犯罪者について《自身を正義の側の人間だと捉え、異様な殺害手口にこだわる“黒石”は個性的な犯罪者が登場するシリーズのなかでも、ひときわ不気味な存在である。》と紹介。同作で描かれる主人公の鮫島らによる捜査手法については《そうした掴みどころのない殺人者の実像に、鮫島が足と頭を最大限に使って迫ろうとするのが見所だ。前作より登場した「女性のノンキャリアの星」と呼ばれる阿坂課長や相棒の若手刑事・矢崎たちと議論を交わしながら、仮説を立てて捜査を進めていくのも特徴で、本格謎解きの醍醐味とともに集団捜査小説としての味わいも深まった。犯罪者に食らい付く鮫の物語は強い芯を残しつつ、新たな進化も遂げている。》と評している。

1位『QED 恵比寿の漂流』高田崇史[著](講談社)

対馬。海神の島、神の坐す島。数多の神社仏閣に守られるその島で起きた奇怪な殺人事件。一人目の被害者は皮袋に入れられていた。二人目は小舟に乗せられていた。共通するのは、首を切り落とされていたこと。三人目の被害者は発見時には息があり、「さいきょう、くぎょう」と言い残した。ダイイングメッセージに託された事件の真実と本質を膨大な知識と推理力で桑原崇が解き明かす!(講談社ウェブサイトより)

2位『黒石 新宿鮫XII』大沢在昌[著](光文社)

どこまでも不気味な異形の殺人者“黒石”と戦う鮫島。“新宿鮫”シリーズ最高の緊迫感で迫る第十二作!犯罪ネットワーク「金石」の幹部が次々に殺される。“黒石”と呼ばれる謎の殺人者の仕業か。首都圏の過去十年間の未解決殺人事件を検討した鮫島らは、知られざる大量殺人の可能性に戦慄した――。神出鬼没で正体のつかめない殺人者“黒石”と、反抗するものへの殺人指令を出し続ける“徐福”の秘匿されてきた犯罪と戦う鮫島。「金石」メンバーの逆襲はあるのか?絶体絶命のクライマックスまで一気に疾走する傑作長編!(光文社ウェブサイトより)

3位『天使たちの課外活動11 星と大地の芸能祭』茅田砂胡[著](中央公論新社)

ルウのカミハラが炸裂し、惑星トゥルークの楽聖サーナン・ドルガンが連邦大学惑星に出向くことに。ドルガンという高位僧侶の初の渡航ということで、トゥルークの僧院関係者は大騒ぎで……。(中央公論新社ウェブサイトより)

4位『アオのハコ Prologue』三浦糀[原作]七緒[小説](集英社)

5位『岸辺露伴は嗤わない 短編小説集』柴田勝家[著]荒木飛呂彦[原作](集英社)

6位『サイレント・コア ガイドブック 兵器篇』大石英司[著]安田忠幸[画](中央公論新社)

7位『【推しの子】 ~二人のエチュード~』赤坂アカ[著]横槍メンゴ[著]田中創[小説](集英社)

8位『米海軍崩壊【1】逆襲の真珠湾攻撃!』原俊雄[著](電波社)

9位『原子力戦艦「大和」【2】血塗られた南洋、武蔵参戦!』林譲治[著](電波社)

10位『プロポーズ日和 ベティ・ニールズ・コレクション』ベティ・ニールズ[著]片山真紀[訳](ハーパーコリンズ・ジャパン)

〈ノベルスランキング 1月28日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2025年2月1日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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