230万人の大量死を招いた原因とは 太平洋戦争の凄惨な現実を描いた『日本軍兵士』の続編が2位に初登場[新書ベストセラー]

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 1月28日トーハンの週間ベストセラーが発表され、新書第1位は『人生の壁』が獲得した。

 第2位は『続・日本軍兵士―帝国陸海軍の現実』。第3位は『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』となった。

 2位に初登場の『続・日本軍兵士―帝国陸海軍の現実』は2017年12月に発売され、新書大賞2019で大賞を受賞した『日本軍兵士―アジア・太平洋戦争の現実』吉田裕[著](中央公論新社)の第二弾。

 前作は太平洋戦争で日本兵が置かれていた環境を数多くの史料から分析し、兵士の目線から凄惨な戦場の実態を明らかにした一冊。

 刊行時に大きな話題となり、20万部を突破するベストセラーとなっている。今作では約230万人という無残な大量死が発生した原因を、軍拡の結果もたらされた弊害、下士官に犠牲を強いる構造、兵士たちの生活や衣食住が軽視されていた実態などの視点から論じている。

1位『人生の壁』養老孟司[著](新潮社)

生きていくうえで壁にぶつからない人はいない。それをどう乗り越えるか。どう上手にかわすか。「子どもは大人の予備軍ではない」「嫌なことをやってわかることがある」「人の気持ちは論理だけでは変わらない」「居心地の良い場所を見つけることが大切」「生きる意味を過剰に考えすぎてはいけない」――自身の幼年期から今日までを振り返りつつ、誰にとっても厄介な「人生の壁」を越える知恵を正面から語る。(新潮社ウェブサイトより)

2位『続・日本軍兵士―帝国陸海軍の現実』吉田裕[著](中央公論新社)

先の大戦で230万人の軍人・軍属を喪った日本。死者の6割は戦闘ではなく戦病死による。この大量死の背景には、無理ある軍拡、「正面装備」以外の軽視、下位兵士に犠牲を強いる構造、兵士の生活・衣食住の無視があった。進まない機械化、パン食をめぐる精神論、先進的と言われた海軍の住環境無視……日中戦争の拡大とともに限界が露呈していく。本書は帝国陸海軍の歴史を追い、兵士たちの体験を通し日本軍の本質を描く。(中央公論新社ウェブサイトより)

3位『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』三宅香帆[著](集英社)

「大人になってから、読書を楽しめなくなった」「仕事に追われて、趣味が楽しめない」「疲れていると、スマホを見て時間をつぶしてしまう」……そのような悩みを抱えている人は少なくないのではないか。「仕事と趣味が両立できない」という苦しみは、いかにして生まれたのか。自らも兼業での執筆活動をおこなってきた著者が、労働と読書の歴史をひもとき、日本人の「仕事と読書」のあり方の変遷を辿る。そこから明らかになる、日本の労働の問題点とは?すべての本好き・趣味人に向けた渾身の作。(集英社ウェブサイトより)

4位『ユダヤ人の歴史 古代の興亡から離散、ホロコースト、シオニズムまで』鶴見太郎[著](中央公論新社)

5位『手段からの解放―シリーズ哲学講話―』國分功一郎[著](新潮社)

6位『貧困と脳 「働かない」のではなく「働けない」』鈴木大介[著](幻冬舎)

7位『日本史 敗者の条件』呉座勇一[著](PHP研究所)

8位『世界のニュースを日本人は何も知らない6 – 超混沌時代の最前線と裏側 -』谷本真由美[著](ワニブックス)

9位『新・古代史 グローバルヒストリーで迫る邪馬台国、ヤマト王権』NHKスペシャル取材班[著](NHK出版)

10位『日ソ戦争 帝国日本最後の戦い』麻田雅文[著](中央公論新社)

〈新書ランキング 1月28日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2025年2月1日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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