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- 貧困と脳 「働かない」のではなく「働けない」
- 価格:1,056円(税込)
2月18日トーハンの週間ベストセラーが発表され、新書第1位は『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』が獲得した。
続いて、第2位は『人生の壁』、第3位は『女80歳の壁』となった。
4位以下で注目は4位にランクインした『貧困と脳 「働かない」のではなく「働けない」』。著者の鈴木大介さんは、売春や性風俗で日銭を稼ぐことしかできない境遇にいる女性たちに光を当て、話題となった『最貧困女子』(幻冬舎)などで知られる文筆家だ。若者の貧困問題を取材する中で、鈴木さんは貧困当事者たちに共通する「だらしなさ」や「事務能力の低さ」を感じ続けていた。世間ではそれを「サボり」や「甘え」と非難し、貧困は自己責任だと断罪する。しかし、鈴木さん自身が2015年に脳梗塞を発症し「高次脳機能障害」となったことで、脳の障害によってどんなに頑張ってもできないことがあるという「生き地獄」を経験する。その経験を通じ、貧困当事者たちもまた「働けない脳」に苦しんでいたのではないかと気づく。同書では「働けない脳=不自由な脳」の存在について解説し、脳のバランスが少し崩れるだけで誰もが陥る可能性があると警告する。そして、社会全体で救いの手を差し伸べる必要性を訴えるとともに、当事者たちには自罰の感情に陥らないよう呼びかけている。2024年11月に刊行された新書ながら、動画サイトなどで話題を呼びランクインとなった。
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- なぜ働いていると本が読めなくなるのか
- 価格:1,100円(税込)
1位 『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』 三宅香帆[著](集英社)
「大人になってから、読書を楽しめなくなった」「仕事に追われて、趣味が楽しめない」「疲れていると、スマホを見て時間をつぶしてしまう」……そのような悩みを抱えている人は少なくないのではないか。「仕事と趣味が両立できない」という苦しみは、いかにして生まれたのか。自らも兼業での執筆活動をおこなってきた著者が、労働と読書の歴史をひもとき、日本人の「仕事と読書」のあり方の変遷を辿る。そこから明らかになる、日本の労働の問題点とは?すべての本好き・趣味人に向けた渾身の作。(集英社ウェブサイトより)
2位 『人生の壁』 養老孟司[著](新潮社)
生きていくうえで壁にぶつからない人はいない。それをどう乗り越えるか。どう上手にかわすか。「子どもは大人の予備軍ではない」「嫌なことをやってわかることがある」「人の気持ちは論理だけでは変わらない」「居心地の良い場所を見つけることが大切」「生きる意味を過剰に考えすぎてはいけない」――自身の幼年期から今日までを振り返りつつ、誰にとっても厄介な「人生の壁」を越える知恵を正面から語る。(新潮社ウェブサイトより)
3位 『女80歳の壁』 和田秀樹[著](幻冬舎)
「夫の世話・介護からくるストレスや負荷」「骨粗しょう症による骨折で歩けなくなる」「家族を亡くしたさみしさでうつになる」など、「女80歳の壁」はぶ厚い障害だ。このような壁を、80歳以上でいきいきしている「幸齢女子」はどう乗り超えているのか?その最強の方法は、とにかく肉を食べること、好きなことだけをして生きること。「夫と子供は無視していい」「女性・男性ホルモンの両方を補充する」「カツラもしわ取りもOK」等々、壁を乗り超え、高齢期を楽しみ尽くすための生活習慣を詳細に解説。人生を最後まで充実させたい女性必読の一冊。(幻冬舎ウェブサイトより)
4位 『貧困と脳 「働かない」のではなく「働けない」』 鈴木大介[著](幻冬舎)
5位 『続・日本軍兵士―帝国陸海軍の現実』 吉田裕[著](中央公論新社)
6位 『日ソ戦争 帝国日本最後の戦い』 麻田雅文[著](中央公論新社)
7位 『新・古代史 グローバルヒストリーで迫る邪馬台国、ヤマト王権』 NHKスペシャル取材班[著](NHK出版)
8位 『看護師の正体 医師に怒り、患者に尽くし、同僚と張り合う』 松永正訓[著](中央公論新社)
9位 『世界のニュースを日本人は何も知らない6 – 超混沌時代の最前線と裏側 -』 谷本真由美[著](ワニブックス)
10位 『狂った世界』 百田尚樹[著](新潮社)
〈新書ランキング 2月18日トーハン調べ〉
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