NON STYLE石田明と令和ロマン高比良くるまが対談 お笑いオタクなふたりのコアな「M-1グランプリ2024」振り返りが実現

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去る2月10日、代官山蔦屋書店にて、NON STYLE石田明『答え合わせ』、令和ロマン高比良くるま『漫才過剰考察』刊行記念として、両者の対談イベントが開催された。来場チケットも配信チケットも一瞬で完売するほど高い注目と期待が集まったイベントだったが、自他ともに認めるお笑いオタク同士によるトークは期待以上に濃く、お笑いファン垂涎の対談となった。その内容の一部をご紹介する。

※この対談は高比良くるまが活動自粛した2月19日以前の内容です。

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それぞれのチャンピオンイヤー

M-1グランプリ2008年王者、2023&2024年王者が登壇すると、両者は早速M-1の話を始めた。

石田が「(2連覇)すごくないですか? 2年連続出場の成功例と失敗例」と自虐を交えつつ、自分のときは優勝後に多忙を極めネタが間に合わなかったことに加え、たくさん舞台に立っていく中で何が面白いのかだんだんわからなくなっていったと語った。

するとくるまは、「僕らも去年は年間600ステージくらい立っていたんですが、2022年敗者復活で惜しいところまでいった後の1年間の方が、応援してくれるファンが多かったので、何が面白いかの判断が難しかった。でも1回優勝したことで、色んな人が見に来てくれるようになって、毎回初見のお客さんっぽくなったんです。面白かったらウケる、面白くなかったらウケないという、確実な1年でした」と語った。

石田が、「俺のときは優勝後のステージで太もも叩かへんかっただけでがっかりされた」と自身のチャンピオンイヤーを振り返り、優勝ネタを求められ、新しいネタを作りたくてもなかなか難しい状況だった語ったのに対し、令和ロマンのネタは特に決まった動きやキャラがなかったからなんとかなったのでは、とくるまは自身を分析した。


高比良くるま(左)と石田明(右)※(C)マガジンハウス・辰巳出版(撮影:北原千恵美)

「ちょっと待て、点が高すぎるぞ!」

色々な媒体で語られていたように、2023年はM-1決勝用に4本ほどネタを用意していたくるま。「去年はどうやったん?」と石田に尋ねられると、「2024年はあの2本のみですね。披露する順番も決めていました。ネタ自体は両方とも15分くらいあるものなので、その場の空気を見て中身のパターンは調整できるように、ざっくり準備していましたね」とくるま。

石田はその調整能力に感嘆しつつ、1本目の「名字」のネタを称賛した。「名字のネタって『あるある』やんか。あるあるって手堅く70点くらいまでは取りやすいけど、大爆笑までいくのは難しい。でもそのあるあるをトップで持ってきた時に、くるまはM-1をほんまに盛り上げたいんだ、という気持ちを感じた。大喜利とか伏線回収とかは後の人たちに影響を与える可能性があるけど、あるあるってボケが被らないから後の出番の人に影響がない。オールドスタイルで、みんなが共感できるボケが多くて、でもその2、3個上のこと言ってるボケもあって、それをM-1チャンプのプレッシャーも乗り越えてよくやったな」と絶賛。

くるまは「名字ってネタは、タイトルだけ聞くと究極っぽくてチャンピオンっぽい。シンプルなので、『普通のテーマでよくやったね』って審査員から評価してもらえるだろうなと思っていたので、採点中はしめしめ中のしめしめでしたよ」と喜びを滲ませた。

2023年に敗者復活戦の審査員を経験し、2024年は決勝の審査を務めた石田は、「自分の審査基準を大切にしようと思った」と語り、基準にのっとって計算したところ、「おいちょっと待て! 点が高すぎるぞ! となってかなり揺れた。でも今回は自分を信じると決めていたからそのままつけた」と当時の心中を明かした。石田の採点はその後も基準がぶれることなく、結局トップの令和ロマンがいちばん高得点となった。

辰巳出版
2025年3月12日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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