【話題の本】『本を読んだことがない32歳がはじめて本を読む』かまど・みくのしん著

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■すごい読者に出会える

この1年の新刊を対象として、紀伊国屋書店スタッフの推薦コメントを基に選考委員の投票で決まったおすすめ本「キノベス!2025」の小冊子が2月、店頭で配布された。本書は4位と、昨年注目された作家の作品より上位にランク入り。新書大賞を受賞した三宅香帆(キノベス5位)、直木賞の一穂ミチ(同6位)、ノーベル文学賞のハン・ガン(同7位)の作品を抑えた。

32歳まで読書経験がなかったというライター、みくのしんが同僚、かまどの合いの手で『走れメロス』を声に出して読み、泣いたり叫んだりするウェブ記事が話題となり、書籍化。名作『一房の葡萄』『杜子春』など4編に挑む様子を収めている。

「読書の実況ってこんなにおもしろいんだ」「すごい作家に出会う機会はあるが、すごい読者に出会える貴重な機会を与えてもらった」…と本を読む楽しさを改めて教えてもらった書店のスタッフは多いようだ。

教育関係者にも注目されている。京都府の私立中学高校で働く学校図書館司書らの投票で決まる「中高生におすすめする司書のイチオシ本」では1位の栄誉に輝いた。

版元によると、昨夏発売で現在2刷計8万部。続編を求める声も寄せられているという。(大和書房・1760円)

斎藤浩

産経新聞
2025年3月1日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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