仕事に追われるリーダーと追われないリーダーの違いとは? 優秀な人がやっている余裕が持てる仕事術

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仕事ができるリーダーが考えていることとは(Image by photoAC)

 リーダーになると、部下や後輩の管理やサポート、さらには、所属組織にとって必要なことなど、相当な量を抱えることになります。

 皆さんも、似たような状況ではないでしょうか。

 リーダー自身で調整を図れないことも当然にあり、結果として「自分の仕事」が後回しになります。頑張れば頑張るほど、自分の仕事ができなくなり、それを取り戻すのに、より多くの時間、仕事をするようになって……と、仕事に追われるようになってしまいます。

 だからこそ、「できるだけ“早く”目の前の仕事を終わらせることが大切だ」と考え、実践しているリーダーの人は多いでしょう。

 しかし、人財育成コンサルタントで3.5万人以上のリーダーを支援してきた吉田幸弘氏は、そうした考えが仕事に追われてしまう原因だと言います。

 一体どういうことなのでしょうか。

 吉田氏の著書『仕事が速いリーダー 仕事に追われるリーダーの時間の使い方』より、調整力が高く、仕事に追われないリーダーがどんな仕事のやり方をしているのかを一部抜粋・編集して、紹介します。

仕事に追われるようになったリーダーの特徴「3日後でいい」と言われたけど…

 人は誰かに何かを求められると、できるだけ良い対応をしてあげようとしがちです。
 例えば、「3日後でいい」と言われたのに、「早くやらなきゃ」と残業して早めに仕上げてあげたり、仕事が立て込んでいるのに、「大丈夫。すぐやるよ」と引き受け、もともとの予定を調整して取り組んであげたり……。
 仕事に真面目に取り組む姿勢は、もちろん素晴らしいことです。
 ですが、リーダーの場合、この“真面目さ”が、仕事がうまくいかない要因になることがあるのです。

 某企業で営業部のリーダーを務めているAさんは、常に「スピード」を意識して仕事をする人で、「すぐやる」「速くやる」を何より優先し、来た仕事、さらに頼まれたことや相談されたことは、どんどん手をつけて対応していました。
 営業マン時代、誰よりも速い対応を目指し、心がけていたところ、上司からもお客様からも大変評価が高かったため、リーダーになってからも、そのスタンスを崩さないことを心掛けていたのです。
 納期に余裕があったとしても、残業して依頼されたその日に着手し、前倒しで納品します。
 Aさんの仕事スタイルは、こんな具合です。

・同僚が企画のヒントになると送ってきた資料をすぐさまダウンロードして読んだ
・上司が朝、突然送ってきた企画を、午後イチで仕上げた
・お客様への提案書を4日後が締め切りなのに、早々と仕上げた

 しかし、そんなAさんは常に仕事や時間に追われ、自分の仕事はどんどん後回しになり溜まっていく一方。表情には余裕がなく、はたから見ても疲れ果てていました。Aさんのチームメンバーは、Aさんに気を遣い、ちょっとした雑談や相談をしなくなり、職場は静かになっていきました。
 すると、Aさん、そして、チームのメンバーのコミュニケーション不足から、ミスがちょこちょこ出るようになり、その対応で時間をとられ、さらに仕事に追われるようになってしまったのでした。

仕事に追われないリーダーの特徴「最大でいつまで待てるか」を確認

 Aさんの隣のチームのリーダーBさんは、仕事において「スピード」をまったく重視しないスタンスでした。
 来た仕事、頼まれた仕事に関しては、「今日頼まれたことを今日やる必要はない」と言い切り、「〇日だったらできる」と自ら納期を提案したり、「最大でいつまで待てるか」を必ず確認したりしたうえで引き受けるのです。
「明日まで待てないほど、緊急な仕事はない」という考え方があります。
 これを「マニャーナの法則」といい、Bさんは、この法則を活用し、具体的には次のような仕事スタイルで働いていました。

わざと遅めの期限を言い、「最大でいつまで待てるか」を聞き出す

相手 「ナルハヤで資料を作成してほしい」
Bさん 「わかりました。明日の夕方になら着手できそうです」
相手 「明日の正午までには欲しいのですが……」
Bさん 「う~ん。ただ予定がいっぱいだし、無理してミスをしたらいけないからなあ。最大でいつまで待てるの?」
相手 「ちょっと確認します」

 Bさんもリーダーですから、相手が「最大でどこまで待てるか」を確認したうえで、どうしても「明日の正午に必要だ」と言えば、もちろん対応します。
 しかし、たいていの場合、スピードよりもBさんに確実に対応してもらうほうが大事だと判断し、調整できるところはないかを考え、お互いにとって都合の良い落としどころを提案してきます。
 そうすることで、時間を有効に活用することができ、「ミスなく」「無理なく」「きちんと」相手に依頼された仕事をすることができます。
 常に「遅めの期限を回答する」スタンスでいることによって、無茶な短納期の依頼をされることがなくなってきます。もちろん、リーダーもよほどのことがない限り、部下に短納期の依頼はしないように心がけましょう。

期限のない仕事は「やらない」という選択をする

相手 「企画を見てほしいのですが」
Bさん 「いつまでに必要ですか? それによっては受けられない可能性があります」
相手 「お手すきのタイミングで。いつでもいいのでお願いしたいです」
Bさん 「う~ん。いつでもいいのであれば、そもそも、まだやる必要がないのでは?」

 忙しいからこそ、「やらなくていい仕事」をやる必要はありません。
 本当に大切な仕事なら、相手にも「木曜日の16時までにやってほしい」というように期限を明示してきます。逆に期限のない仕事は相手の思いつきだったり、「必要のない仕事」であったりするケースがほとんどです。
 スピードの必要性に疑いを持つと同時に、そもそもの仕事自体の必要性にも疑いを持つことで、その仕事をやるべきタイミングを適切なものにするのです(ムダに動く必要がなくなる)。

「偽りの緊急性」に騙されない

 実際はそこまで緊急性はないのに緊急性があるように見えるのが「偽りの緊急性」です。
 仕事は次から次へとやってきます。そのうえ、リーダーは自分自身の仕事以外にも関わる必要があるので、緊急性のある仕事が多く発生します。
 本当の緊急事態に即対応できるように時間を確保する必要があります。期限を遅くすることで猶予を確保するのです。

 できるだけ早く仕事を仕上げることは大切ですが、本当にその仕事を早くする必要があるでしょうか。仕事を頼まれたとき、「期限を無理に早くしていないか」「その仕事は本当にやる必要があるのか」、自問自答してみましょう。「できるだけ早く」より「できるだけ遅く」を意識し、本当の緊急性を見極めるようにしましょう。

吉田幸弘(よしだゆきひろ)
リフレッシュコミュニケーションズ代表。コミュニケーションデザイナー・人財育成コンサルタント・上司向けコーチ。成城大学卒業後、大手旅行会社、学校法人を経て外資系専門商社へ転職。5ヵ月連続で営業成績トップとなりマネージャーに昇格するも、3ヵ月連続で退職者を出してしまう。深夜にまで及ぶ残業と目標達成へのストレスから、部下にも同僚マネージャーにも退職予備軍が多数いるのを知り、タイムマネジメント及びストレスマネジメントの本や中国古典を50冊以上読み漁り、仕事を減らす方法とモチベーションアップの方法を生み出す。その結果、自分自身と部下11名の業務を大幅に減らし、残業を3ヵ月でゼロに導くことに成功。メンバーのパフォーマンスもよくなり、売上が前年比20%増、3年連続MVPに選ばれる。2011年人財育成コンサルタント・コミュニケーションデザイナーとして独立。オリジナルのリーダーシップ論・マネジメント論を確立し、コンサルティングや講演・研修などを行っている。累計の受講者数は3万5000人以上。『おはよう日本』(NHK)、J-WAVE、日経ビジネス等、テレビ、ラジオ、雑誌にて紹介される人気講師。著書多数

あさ出版
2025年3月18日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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