脳科学者がオススメする認知症予防とは? 研究でわかった楽しみながら脳を刺激する趣味

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ちょっとの負荷が認知症リスクを下げる(写真はイメージです)

 3人に1人が認知機能にかかわる症状があると言われています。
 また、認知症による行方不明者も多く、その数は2万人にのぼると報道されました。

 将来に対する不安に加え、介護や行方不明など家族への負担を考えるならば、今から予防することがなによりでしょう。

 しかし、予防と言っても何をしたらいいのか?

 面倒なことや楽しくないことはしたくないという方に、脳科学者の西剛志さんが、日本で行われた研究で明らかになっている認知症リスクを下げる方法とは?

 創作おりがみ作家の伊達博充さんと共著で刊行した『脳科学でわかった! 80歳からでも成長する もっと脳活おりがみ』(あさ出版)から紹介します。

■手を動かす趣味で認知症予防

【西剛志(以下:西)】私は脳活には本当におりがみがいいなって思っているんですよ。
 おりがみを折るのは、脳にとって負荷が小さいんです。
 あまり大きな負荷をかけると、脳が疲れたりとか、ダメージを受けたりします。
 でも少しの負荷は大切で、脳が刺激を受けて活性化します。
 植物は、あまりにもぬくぬくした環境でずっと育つと、意外と弱くなってしまいます。ちょっと寒いとか、ちょっと水が少ない、とか、ちょっと負荷をかけると、実は、その環境に適応しようとして成長します。強くなるんです。
 脳もまったく同じで、負荷をかけない(刺激のない)状態が続くと、どんどん衰えていくんです。
 そういった意味で、おりがみを折ると、楽しめますし、笑顔を増やせますし、ちょっとの負荷をかけて脳の刺激にもなりますので、素晴らしいツールだと思います。

【伊達博充(以下:伊達)】それはうれしいですね。おりがみのことをほめてもらっているのに、自分のことをほめてもらっているような気分になってきました。ちなみに、今、客船に乗船して世界一周をしようかと夢を描いているんですよ。
 旅自体を楽しみたい気持ちもありますが、船の上でおりがみを教えて、広めたいなあ、なんて。

【西】それはいいですね! 旅も、手を動かすこと(手芸)も、認知症リスクを下げる趣味といわれているんですよ。

【伊達】趣味の種類によって、認知症リスクを下げるものがあるんですか?

【西】はい、日本で行われた研究で明らかになっています。男女に共通して、認知症リスクを20~25%下げる趣味が、グラウンドゴルフ(専用のクラブでボールを打つスポーツ。公園や広場でできる)と旅行です。

【伊達】ほかにどんな趣味がいいのですか?

【西】男性ではゴルフ、パソコン、釣り、写真撮影が認知症リスクを下げ、女性では、特に手工芸、園芸、庭いじりなどが有効とされています。

伊達博充(だて・ひろみつ)
創作おりがみ作家・一級建築士。核建築設計事務所代表取締役。1938年、大阪市都島区生まれ、鹿児島市出身。鹿児島工業高等学校建築科、旭化成工業(現・旭化成)、大和ハウス工業などを経て、早稲田大学大隈講堂の設計者の佐藤武夫設計事務所(現・佐藤総合計画)に在籍。1966年に独立し、現在に至る。本業の傍ら東京青山「おりがみ倶楽部」を主宰し、創作おりがみでは、2021年「紙わざ大賞30」にて「牛」が、2023年「紙わざ大賞31」にて「闘牛」がそれぞれ入選している。著書に『脳科学でわかった! 80歳からでも若返る すごい脳活おりがみ』(あさ出版)がある。

西剛志(にし・たけゆき)
脳科学者。1975年生まれ。鹿児島市出身。東京工業大学大学院生命情報専攻卒。博士号を取得後、特許庁を経て、2008年にうまくいく人とそうでない人の違いを研究する会社を設立。世界的に成功している人たちの脳科学的なノウハウや、才能を引き出す方法を展開し、企業から教育者、高齢者、主婦など含めてこれまで3万人以上に講演会を提供。テレビなどの各種メディア出演も多数。著書に『80歳でも脳が老化しない人がやっていること』(アスコム)、『1万人の才能を引き出してきた脳科学者が教える「やりたいこと」の見つけ方』(PHP研究所)などがある。著書は海外も含めて40万部を突破。

あさ出版
2025年3月21日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

あさ出版

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