【過去最多】「不登校」を乗り越えるまでに「親ができること、すべきでないこと」は?“4つのステップ”に分けて児童精神科医が解説

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不登校を乗り越えるために知っておきたい4つのステップ

 文部科学省の最新の報告書によると、令和5年の不登校の子どもの数は、小学生の100人に約2人、中学生の100人に約7人にあたり、小中学校における不登校児童生徒数は34万6,482人で、前年度から4万7,434 人も増加し、過去最多となりました(『令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果』より)。

 いじめ、受験、成績不良、ケンカ……学校に行けない理由は子どもによってさまざまです。子どもが不登校になったとき、大切なことは不登校について知ること、そして今の状況をできるだけ冷静に受け止め、子どもの状態に寄り添うこと。そう語るのは、約50年にわたり不登校の子どもと親を支えてきた児童精神科医の齊藤万比古さんです。

 齊藤さん監修の、不登校の子どもの心を理解する方法や、親ができること・避けるべき行動などを教えてくれる書籍『不登校のはじまりからおわりまで』から、不登校の適切な理解とサポートのために、不登校のはじまりから乗り越えるまでを4つの段階に分けて解説した部分を紹介します。
(※以下、同書から引用・再構成しました)

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【ステップ1】不登校の「兆候段階」

 不登校が本格的にはじまる前の「兆候段階」について考えます。

 兆候段階では、本人の内面でさまざまなつらい葛藤があります。

 本人の内面のつらい葛藤を外部に知らせるサインとして、頭痛、腹痛、だるいなどの身体症状を訴える、不安や緊張が高まって落ち着かない、ということが起こります。また、気分が落ち込み、なにもする気になれない抑(よく)うつ気分も、内面のつらい葛藤を知らせるサインだといえます。

 この段階は、まだ不登校がはじまったわけではないので、周囲の人が気づかないことが多いと思います。いじめが関わっていたら、信頼できる人に現状の悩みを相談したり、適切な支援を受けたりすることで、不登校に至らずに落ち着くこともあるでしょう。

 兆候段階で不登校を想定するのは、とても難しいことですが、短期間でもこのような兆候段階を経てから不登校になると考えられています。ですから、家族や周囲の人が、子どもの変化や葛藤を知らせるサインに気づいたら、子どもに注目し、おだやかに声をかけ、話を聞く姿勢を示しましょう。

【ステップ2】不登校の「開始段階」

 不登校の「開始段階」は、いよいよ連続して登校しなくなる時期です。

 子どもの心には、しばしば激しい葛藤が起こり、不安や焦り、イライラなどの情緒的な動揺や気分の落ち込みが目立つようになります。

 幼児のように親にしがみついて甘えたり、そうかと思うと手のひらを返したように暴力的な言動を示したり、それまでにはない不安定な精神状態が目立つようになります。

 この時期は、学校を休んでいることへの罪悪感があらわれますが、それを表面にあらわさないこともあります。また、小中学生は気持ちの動揺が表にあらわれやすいのですが、高校生以上になると内面では似たような葛藤があっても、表面的にはそうした状態は目立ちません。

 不登校がはじまるとき、それは兆候段階に続いて起きているのですが、親にとってはいつでも「突然の出来事」と感じるものです。親はまず自分の気持ちを冷静に保つために、担任の教師やスクールカウンセラーと話し合いましょう。また、夫婦で話し合うことも大切です。

 なお、子どもが体の不調を訴える場合、本当に体の病気かもしれません。医師の診察を受けることも必要です。

監修:齊藤万比古(さいとうかずひこ)
児童精神科医。恩賜財団母子愛育会 愛育研究所顧問。1975年千葉大学医学部卒業。1979年国立国府台病院児童精神科。1999年国立精神・神経センター国府台病院心理・指導部長。2003年国立精神・神経センター精神保健研究所児童思春期精神保健部長。2008年国立国際医療センター国府台病院第二病棟部長。2010年独立行政法人国立国際医療研究センター国府台病院精神科部門診療部長。2013年恩賜財団母子愛育会総合母子保健センター愛育病院小児精神保健科部長。2015年恩賜財団母子愛育会愛育研究所児童福祉・精神保健所研究部部長、愛育相談所所長。2023年から現職。

辰巳出版
2025年4月7日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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