西野七瀬、高橋文哉主演映画版も好評の直木賞受賞作『少年と犬』 一話完結の短編集を一本の物語に再構成? 書評家は「テーマは受け継がれている」[文庫ベストセラー]

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 4月1日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文庫第1位は『ようこそ実力至上主義の教室へ 3年生編1』が獲得した。2位には『マスカレード・ゲーム』、3位には『わたしの幸せな結婚 九』がランクインした。

 4位以下で注目は6位にランクインした『少年と犬』。2020年に第163回直木賞を受賞した、馳星周さんによる感動作だ。一頭の犬が結びつける6つの短編が収録された連作集で主人公は雑種の犬「多聞」。物語は、震災のあった東北から九州へと続き、多聞は助けを必要としている誰かのもとに、まるで天の恩寵のように現れ去っていく。様々な事情を抱えた人々に多聞は寄り添い、救いをもたらす。馳さんの犬への深い愛情が感じられる一冊だ。

 3月20日には、高橋文哉さんと西野七瀬さん主演による映画版が公開された。映画は公開初週末の3日間で観客動員数8万3000人、興行収入1億900万円を記録し、好スタートをきっている(興行通信社調べ)。映画について書評家の大矢博子さんは、原作では一話完結型の構成が、映画では罪を犯した二人の若者が再生していく一連の物語に再構成されたと解説。失敗から立ち上がる彼らの姿と、震災の地から旅立ち目的を果たす小説の多聞の姿は重なるとし、《原作者の馳星周がこの小説に込めた思いにも通じる》と映画でも原作のテーマは受け継がれていると解説している。

1位『ようこそ実力至上主義の教室へ 3年生編1』衣笠彰梧[著](KADOKAWA)

2年最後の「学年末特別試験」を経て、3年生をAクラスで迎えるにいたった堀北たち元1年Dクラス。だが最大の立役者・綾小路清隆がクラス移籍をしてしまう。堀北クラスの生徒たちは混乱と混沌の感情に陥るが――たった一つの残酷な事実がそこには存在していた。堀北たち3年Aクラスは、『綾小路清隆』に勝利せねば、Aクラスで卒業できない。成長を見せる龍園とBクラス、綾小路のCクラスと一之瀬のDクラスに新たな繋がりが生じる中、3年最初の特別試験『全体、少数戦学力総合テスト』が発表される!Aクラスで卒業できるのはたった1クラス。頂点に立つのはどのクラスなのか!待望の『3年生編』スタート!(KADOKAWAウェブサイトより)

2位『マスカレード・ゲーム』東野圭吾[著](集英社)

解決の糸口すらつかめない3つの殺人事件。共通点はその殺害方法と、被害者はみな過去に人を死なせた者であることだった。捜査を進めると、その被害者たちを憎む過去の事件における遺族らが、ホテル・コルテシア東京に宿泊することが判明。警部となった新田浩介は、複雑な思いを抱えながら再び潜入捜査を開始する――。(集英社ウェブサイトより)

3位『わたしの幸せな結婚 九』顎木あくみ[著](KADOKAWA)

旧都にある久堂家の本家・宮小路家に挨拶へ行くことになった美世と清霞。由緒ある神社の宮司である当主の弧門は清霞の幼なじみでもあり、二人を歓迎する。新婚旅行を兼ねて楽しいだけの旅にしたかった清霞の思いとは裏腹に、初日から美世は金髪碧眼の端麗な男性に声をかけられる。ユージンと名乗る彼は執拗に美世を誘い再会をほのめかす。さらに薄刃の力に目を付けた宮小路家の男達に美世は狙われて……。ここからは、稀なるおしどり夫婦の物語。いざ、歴史と曰くと怪異に満ちた旧都へ――。(KADOKAWAウェブサイトより)

4位『一次元の挿し木』松下龍之介[著](宝島社)

5位『ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編公式ガイドブック Second List』衣笠彰梧[原作]加山竜司[執筆](KADOKAWA)

6位『少年と犬』馳星周[著](文藝春秋)

7位『准教授・高槻彰良の推察EX3』澤村御影[著](KADOKAWA)

8位『署長シンドローム』今野敏[著](講談社)

9位『#真相をお話しします』結城真一郎[著](新潮社)

10位『Re:ゼロから始める異世界生活40』長月達平[著](KADOKAWA)

〈文庫ランキング 2025年4月1日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2025年4月5日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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