【話題の本】シジュウカラはしゃべっていた!『僕には鳥の言葉がわかる』

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41歳、東大准教授の著者はシジュウカラの言語能力を発見し、動物言語学という新領域を切り開く。本書は18年の研究をまとめた初の単著。

ピーツピは「警戒しろ」、ヂヂヂは「集まれ」、ジャージャーは「ヘビ」…。巻末の2次元コードを読み込むと鳴き声を聞くことができる。

堅い理工書のような本を想像するが図表は一切なし。専門用語や難しい言葉は使わない。著者自らがシジュウカラのかわいいイラストを随所に描き、山中での調査を白米だけで過ごして激ヤセしたなどの体験をちりばめた短文23章からなるユーモラスなエッセーに仕上げた。読みやすさへの徹底的なこだわりは、みんなに知ってほしいことがあるからだ。

「古代ギリシャ時代から現代まで、言葉を持つのは人間だけだと決めつけられてきた(中略)しかし、シジュウカラたちは、それが間違いであることを教えてくれた。人間には人間の言葉があるように、鳥には鳥の言葉がある」

版元によると、1月下旬の発売で現在8刷9万部。ヒットの理由を担当者は「誰もが鳥は何かしゃべっていると思っていたことが科学的に証明されたことや、推し活のように好きな鳥をきわめていく研究者の人生がおもしろい」と話す。(小学館・1870円)

斎藤浩

産経新聞
2025年4月5日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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