「職場の困った人」を“サル扱い”して炎上…『スマホ脳』著者は「ADHDの強みも理解してほしい」

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『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』を紹介する三笠書房の公式HP

「発売前から話題!」というのは基本的には良いことなのだが、そうでもないケースが続いている。当人のプライベート写真が封入されることで猛烈な批判を浴びているのは、故・八代亜紀さんのCDだ。発売元は権利を主張し、強気の立場を崩していないようだが、遺族や世論の反発は強い。

 一方「障害のある人への差別だ」としてSNS上で批判を集めているのが、『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』(神田裕子・著)という本だ。4月24日発売を前に著者がPRをXに投稿したところ、カバーやオビを見るだけでも差別表現が目立つとの批判が寄せられる事態となっている。

 批判の声はたとえば以下のようなものだ。

・ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如・多動症)などを「困った人のタイプ」の名称として扱い、「職場の困った人」というカテゴリーで表現しているのは問題ではないか。

・それらの人を動物としてイラストで描いている(サルやウサギなどを擬人化したもの)。一方で困らされている人は人間として描かれているのは問題ではないか。

・「なぜ、いつも私があの人の尻拭いをさせられるのか?」というオビのコピーは、障害のある人を「尻拭いの対象」としているように読める。

 X上にアップされた、新刊を手に取って見せている無邪気な笑顔のPR写真から見るに、著者はこのような反応を想像すらしていなかっただろう。

 しかしながら、そもそもある人がASD、あるいはADHDかという判断を下すことはとても難しい。これは常識だ。

 本人が自己判断することでもなければ、職場の人が決めつけられることでもない。それぞれが専門医の診断を要するものであり、「それっぽい」からといって「ADHDタイプ」などと表現するのも避けるべきだろう。

 またそれらの特徴は「困った」ものとは限らない。むろん「困った」事態の原因となることもあるだろうが、それは各人の持つ個性においても同様である。自分は常に冷静沈着で正しいのだ、誰も困らせていないぞ、と胸を張る人が実は裏で厄介者扱いされている可能性だって十分あるのだ。

アンデシュ・ハンセン(Anders Hansen)
1974年スウェーデン生まれ。精神科医。ストックホルム商科大学で経営学修士(MBA)を取得後、ノーベル賞選定で知られる名門カロリンスカ医科大学に入学。現在は王家が名誉院長を務めるストックホルムのソフィアヘメット病院に勤務しながら執筆活動を行い、その傍ら有名テレビ番組でナビゲーターを務めるなど精力的にメディア活動を続ける。『一流の頭脳』は人口1000万人のスウェーデンで60万部が売れ、『スマホ脳』はその後世界的ベストセラーに。『最強脳』『ストレス脳』『メンタル脳』など日本での著作は累計120万部を突破している。

Book Bang編集部
2025年4月18日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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