『そして、バトンは渡された』の瀬尾まいこ 「これまでの人生を全部込めた」自身を投影した最新作が初登場[文芸書ベストセラー]

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 4月30日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文芸書第1位は『カフネ』、第2位は『謎の香りはパン屋から』、第3位は『それいけ!平安部』が獲得した。

 先週に引き続き、今週も4月9日に発表された20252025年本屋大賞受賞作『カフネ』が1位を獲得した。2位の『アルプス席の母』も4位にランクインしている。

 4位以下で注目は5位に初登場の『ありか』。2019年『そして、バトンは渡された』(文藝春秋)で本屋大賞を受賞した瀬尾まいこさんの最新作だ。シングルマザーの主人公とその母親、そして彼女たちを取り巻く人々との温かな交流を描いた本作は、フィクションでありながら瀬尾さん自身を初めて物語に投影したという、特別な意味を持つ一冊となっている。瀬尾さんは刊行にあたり《私の中にも、消したい記憶や叶わなかった願いがいくつもあります。でも、この人生を生きてこなければ、出会えなかった人々、感じることができなかった思いが、今の私を作ってくれました。それらは手放すことができない大事なものです。そんな、これまでの私の人生を全部込めたと言い切れる小説を書きました。》(抜粋)とのメッセージを発表している。

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1位『カフネ』阿部暁子[著](講談社)

一緒に生きよう。あなたがいると、きっとおいしい。やさしくも、せつない。この物語は、心にそっと寄り添ってくれる。最愛の弟が急死した。29歳の誕生日を祝ったばかりだった。姉の野宮薫子は遺志に従い弟の元恋人・小野寺せつなと会うことになる。無愛想なせつなに憤る薫子だったが、疲労がたたりその場で倒れてしまう。実は離婚をきっかけに荒んだ生活を送っていた薫子。家まで送り届けてくれたせつなに振る舞われたのは、それまでの彼女の態度からは想像もしなかったような優しい手料理だった。久しぶりの温かな食事に身体がほぐれていく。そんな薫子にせつなは家事代行サービス会社『カフネ』の仕事を手伝わないかと提案する。食べることは生きること。二人の「家事代行」が出会う人びとの暮らしを整え、そして心を救っていく。(講談社ウェブサイトより)

2位『謎の香りはパン屋から』土屋うさぎ[著](宝島社)

謎はクロワッサンのように折り重なり、カレーパンのように刺激的!パン屋さんでの〈日常の謎〉を解く“美味しい”ミステリー(宝島社ウェブサイトより)

3位『それいけ!平安部』宮島未奈[著](小学館)

ピュア度100%!ハートフル青春小説 いみじ!新入生、部活つくったってよ 県立菅原高校の入学式当日、同じクラスになった平尾安以加から「平安時代に興味ない?」と牧原栞は声をかけられた。「平安部を作りたい」という安以加の熱意に入部を決めるが、新部を創設するには5人の部員が必要だった。あと3人(泣)!!クラスメートから上級生まで声をかけ、部員集めに奔走するが──「平安部って、何やるの?」《平安部員求む!》わたしたちと一緒に平安の心を学びませんか?(小学館ウェブサイトより)

4位『アルプス席の母』早見和真[著](小学館)

5位『ありか』瀬尾まいこ[著](水鈴社)

6位『成瀬は天下を取りにいく』宮島未奈[著](新潮社)

7位『潮音 第四巻』宮本輝[著](文藝春秋)

8位『禁忌の子』山口未桜[著](東京創元社)

9位『無職は今日も今日とて迷宮に潜る 2 ~Lv.チートな最強野良探索者の攻略記~』ハマ[著](オーバーラップ)

10位『近畿地方のある場所について』背筋[著](KADOKAWA)

〈文芸書ランキング 4月30日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2025年5月3日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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