【話題の本】『立ち読みの歴史』小林昌樹著 ツイッターから遡る

ニュース

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

誰もが一度はした覚えがある、書店での本や雑誌の立ち読み。しかしいつの頃からか、書店のコミック本はビニールシートで包装され、コンビニの雑誌は立ち読み防止のテープが貼られるようになった。書棚に並ぶ本を手に取って読める日本の立ち読み文化は、いつどこで生まれたのか。国立国会図書館で15年にわたってレファレンス(調べ物相談)業務を担当してきた著者が、先行研究に乏しい分野の文献を広く探す方法を実践した、読み応え十分の一冊だ。

著者が使うのは「同時に出るもの探索法」。本の立ち読みと万引はセットで発生したと考え、万引の情報にも手を延ばす。目を留めたのは、神保町のある書店でかつて万引犯を見つけると警察に突き出す前にたたいたり水をかけたりしていたというツイッター(現・X)の投稿。もとになった情報を探し、ジャーナリストの宮武外骨が記した立ち読みに関する大正時代の証言にたどり着く。

版元のハヤカワ新書編集部によると、4月下旬の刊行早々、ジュンク堂書店池袋本店で週間ランキング入り。一ノ瀬翔太編集長は「読者という存在がどうやって生まれたかを知るには絶好の一冊。立ち読みをした経験がある人にぜひ読んでいただきたい」と語った。(ハヤカワ新書・1320円)

村嶋和樹

産経新聞
2025年5月3日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

産経新聞社「産経新聞」のご案内

産経ニュースは産経デジタルが運営する産経新聞のニュースサイトです。事件、政治、経済、国際、スポーツ、エンタメなどの最新ニュースをお届けします。