「あの夏を思うと、今でも心が痛くなって震えるモン」くまモンが明かす熊本豪雨への想いとは…笑顔の裏に抱いていた“本当の気持ち”

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日本中で大人気のくまモン(C)2010熊本県くまモン

 2020年7月3日から4日にかけて、熊本県南部は豪雨に襲われた。線状降水帯が発生し、降水量は平年の7月分に及んだ。約1か月分の雨が、たった1日で降り注いだのだ。この豪雨により、県内最大の川である球磨川が氾濫し、流域の人吉・球磨地域は甚大な被害に見舞われた。死者65名、行方不明者2名、重軽傷者51名。ほか、住宅への被害は7,300棟を超え、国道219号、JR九州肥薩線など県民生活に重要なインフラにも甚大な影響が出た。

 この「100年に1度の大災害」が起きた夏を、熊本県の営業部長兼しあわせ部長である「くまモン」はどう振り返るのか。

 笑顔の裏に抱いていた様々な想いを明かした、くまモン初のエッセイ集『ボクのきもち』(辰巳出版)より、デビュー15周年を迎えたくまモンの“本当の気持ち”を紹介しよう(以下、引用は同書より)。

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 あの夏を思うと、今でも心が痛くなって震えるモン。

 毎日、ボクに何ができるだろうって考え続けたモン。大好きな人吉・球磨地域に何度も足を運んで、大好きな鰻屋さんが泥だらけになっているのを見て、思わず泥落としを手伝ったモン。雑巾で拭いても拭いても泥が落ちなくて、毎日、こんな大変な思いをして後片付けをしてるってよくわかったモン。

 それでも球磨川は、いつものように悠々と流れていて、あんなに氾濫したとは思えなかったモン。街のみなさんも「球磨川が悪いわけじゃなか」って言ってたモン。ボクも大好きな球磨川だからこそ、なんだかつらかったモン。

 電車が止まっているから、駅前にはだれもいなかったモン。お店もみんな閉まってたモン。それまでイベントで何度も来ているから、人がたくさんいる駅前を思い出してせつなくなってしもたモン。大好きな人吉のために何かしたいって心から思ったモン。

 くまモン隊や周りのみんなに相談したモン。ドンドンって机を叩いて熱く語って、みんなでああしようこうしようって話しあって、ボクがプロデュースするイベント(※編集部注:2021年7月に行われた“くまモンプロデュース「みんなサンくま」プロジェクト~人吉・球磨は元気だモン♪”)が始まったモン。中身はもりだくさんだったモン。


トゥクトゥクにハマったくまモン(C)2010熊本県くまモン

 ボクのステージパフォーマンスは、球磨川下りなどの発着場『HASSENBA HITOYOSHI KUMAGAWA』や、人吉復興コンテナマルシェなどでやったモン。HASSENBAでトゥクトゥクに乗って登場したら、大歓声が上がったモン。なんだか楽しくなってしもて、トゥクトゥクから降りるの忘れそうになったモン。

 素敵な木のホールで、犬童球渓さんの『旅愁』を「ちくおんき」ではじめち聞いたときは、びっくましたモン。音があったかくて、心がほんわかしてきて、思わずまぶたが重たくなったモン。たいぎゃ気持ちよかったモン。たくさんのおともだちと一緒に聴けたことは忘れられないモン。

 スマホが使えなくなるくらい気温の高い4日間だったけど、ボクの心はもっと燃えていたモン。

 最終日は、人吉駅のホームを利用してのミュージックフェスティバルだモン。この日のために、ボク、ドラムを練習して、地元の中学生のみなさんと演奏を披露したモン。ホームのすぐ後ろは「サギ山」と言われていて、濃い緑の木々が揺れて、キキキキって鷺さんの声がすごかったモン。

 きんちょうしたけど、あんなに練習したから大丈夫って自分に言い聞かせて、最初にスティックを振り下ろしたしゅんかん、なにもかも忘れて夢中になったモン。「くまモン、すごい」っていう声が聞こえて、あとはもう、ノリノリで叩きまくったモン。隣で演奏しているおともだちの顔を見たら、たいぎゃ楽しそうだったから、ボクも気持ちが高ぶって、あとはもう、わけがわからんかったモン。鷺さんも聴いてくれたかモン?

 駅前では、おいしいアイスや鮎の塩焼きなど、いろんな地元の食べ物が売られていて、みんな並んで買ってたモン。ボクも大好きな鮎を食べたモ~ン。

 この大きなお祭りが終わったとき、JR人吉の駅長さんが、「駅はやっぱり人が集まってこそ駅ですね」ってつぶやいとらしたモン。ボクもうなずいたけど、胸がじーんとしてしもたモン。


蓄音機から流れる音に耳を傾けるくまモン(C)2010熊本県くまモン

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 100年に1度と言われるほどの大災害だった熊本豪雨こと「令和2年豪雨災害」に心を痛めたくまモン。翌年の7月22日から25日には、“くまモンプロデュース「みんなサンくま」プロジェクト~人吉・球磨は元気だモン♪”という大イベントを行った。人吉を舞台に繰り広げられたこのイベントでは、街のあちこちでのステージパフォーマンスや、人吉出身の作曲家・犬童球渓さんの『旅愁』SP版を蓄音機で聴く会、そしてJR人吉駅のプラットフォームを使ったミュージックフェスなど、地域を盛り上げる様々な催しが企画され、多くの笑顔が見られた。

 この日々は人々を勇気づけただけでなく、くまモンにとっても忘れられない4日間となったようだ。

辰巳出版
2025年5月16日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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