【話題の本】『6月の本』西崎憲編 きっかけは電車通勤

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    6月の本
    西崎憲  編集/堀辰雄  著/谷崎潤一郎  著/西崎憲  著/北園克衛  著/安部公房  著/マーク・トウェイン  著/石川欣一  著/中谷宇吉郎  著/茨木のり子  著/フーゴー・フォン・ホーフマンスタール  著/宮本百合子  著/二葉亭四迷  著/ヴワディスワフ・レイモント  著/岡本かの子  著/泉鏡花  著/アルチュール・ランボー  著/M・R・ジェイムズ  著/遠藤周作  著/山川方夫  著/中野重治  著/北原白秋  著/岡本綺堂  著/石垣りん  著/尾崎翠  著/石井桃子  著/シャルル=ルイ・フィリップ  著/柴田元幸  訳/小堀桂一郎  訳/金子佳代  訳/中原中也  訳/紀田順一郎  訳/山田稔  訳
    価格:3,080円(税込)

1年のうちの「ひと月」をテーマに、近現代を中心とした国内外の小説、随筆、詩歌などを集めた全12巻のシリーズの一巻。3月に4~6月分の3冊が発売されると「毎月一冊ずつ読みます」などとSNSで話題になった。「単調な電車通勤で車窓の景色を眺めていて、同じ季節の風景の本が読めたら楽しいのではと思った」という編集担当の伊藤里和さんの発案で生まれた本だ。

編者の西崎憲さんは海外作品に詳しい翻訳家で、季節感を大切にする歌人でもある。作品は6年以上かけて選ばれたといい、「西崎さんのセンスがなければ編めないアンソロジー」と伊藤さん。梅雨の時期の『6月の本』には27作品が収載された。降り続く雨にうんざりする様子が記された堀辰雄の随筆「雨後」で始まり、雨上がりのように爽やかな読後感のシャルル=ルイ・フィリップの小説「お隣同士」で終わる。

今後は6、9、12月に各3カ月分を配本。全巻で約150人の著訳者による300超の作品を紹介する。

SNSでは小サイズで箔(はく)押しのおしゃれな装丁も話題だ。電車で片手で読めるサイズは伊藤さんのこだわり。「かわいらしい本だが、隠れた名作など文学愛好家をもうならせる作品を集めた」と話す。(国書刊行会・3080円)

斎藤浩

産経新聞
2025年5月10日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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