「ある場所にまつわる恐ろしい事実が…」異色モキュメンタリー『近畿地方のある場所について』が菅野美穂・赤楚衛二W主演で映画化 原作小説もランキング再浮上[文芸書ベストセラー]

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 5月13日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文芸書第1位は『カフネ』が獲得した。2位には『謎の香りはパン屋から』、3位には『それいけ!平安部』がランクインしている。

 今週の1位から3位は先週と変わらず。4位以下で注目は5位にランクインした『近畿地方のある場所について』。2023年1月より小説投稿サイトで連載が始まり、同年年8月に書籍化されたモキュメンタリー小説。8月には映画の公開も控えている。ライターの「背筋」による語りを軸に、雑誌記事、インタビュー、ネット掲示板からの抜粋などで構成されており、資料を追っていくうちに、ある地方に端を発した怪異の正体が浮かび上がってくる。作者のX(旧Twitter)とも連動し、ホラー世界を圧倒的なリアリティでつくりあげ評判となった。

 8月公開予定の映画の詳細も徐々に明らかになっており、主人公のライター役を菅野美穂さん、共に謎に迫る編集者役を赤楚衛二さんが演じることが発表された。映画公式サイトによると、映画のストーリーも、行方不明になった雑誌編集者(赤楚)を友人のフリーライター(菅野)が追ううちに、ある場所にまつわる恐ろしい事実が浮かび上がる……という原作に沿った内容。製作を務める櫛山慶プロデューサーは、原作小説を読んで「2000年代に掲示板の怪談スレッドに興奮した感覚がよみがえってきた」と映画化を熱望したといい、過去にホラー映画『サユリ』を手掛けた白石晃士監督は、「原作の得体の知れない黒い魅力を、世界中の人々に感染させるべく、映像化という呪術を仕掛けていきます」と意気込みを語っている。映画も原作も、ますます注目が高まっているようだ。

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1位 『カフネ』 阿部暁子[著](講談社)

一緒に生きよう。あなたがいると、きっとおいしい。やさしくも、せつない。この物語は、心にそっと寄り添ってくれる。最愛の弟が急死した。29歳の誕生日を祝ったばかりだった。姉の野宮薫子は遺志に従い弟の元恋人・小野寺せつなと会うことになる。無愛想なせつなに憤る薫子だったが、疲労がたたりその場で倒れてしまう。実は離婚をきっかけに荒んだ生活を送っていた薫子。家まで送り届けてくれたせつなに振る舞われたのは、それまでの彼女の態度からは想像もしなかったような優しい手料理だった。久しぶりの温かな食事に身体がほぐれていく。そんな薫子にせつなは家事代行サービス会社『カフネ』の仕事を手伝わないかと提案する。食べることは生きること。二人の「家事代行」が出会う人びとの暮らしを整え、そして心を救っていく。(講談社ウェブサイトより)

2位 『謎の香りはパン屋から』 土屋うさぎ[著](宝島社)

謎はクロワッサンのように折り重なり、カレーパンのように刺激的!パン屋さんでの〈日常の謎〉を解く“美味しい”ミステリー(宝島社ウェブサイトより)

3位 『それいけ!平安部』 宮島未奈[著](小学館)

ピュア度100%! ハートフル青春小説いみじ! 新入生、部活つくったってよ県立菅原高校の入学式当日、同じクラスになった平尾安以加から「平安時代に興味ない?」と牧原栞は声をかけられた。「平安部を作りたい」という安以加の熱意に入部を決めるが、新部を創設するには5人の部員が必要だった。あと3人(泣)!! クラスメートから上級生まで声をかけ、部員集めに奔走するが――「平安部って、何やるの?」《平安部員求む!》わたしたちと一緒に平安の心を学びませんか?(小学館ウェブサイトより)

4位 『アルプス席の母』早見和真[著](小学館)

5位 『近畿地方のある場所について』背筋[著](KADOKAWA)

6位 『成瀬は天下を取りにいく』宮島未奈[著](新潮社)

7位 『C線上のアリア』湊かなえ[著](朝日新聞出版)

8位 『極東救世主伝説 3 少年、世界の敵と相対す。 ―軍学校襲撃編―』仏ょも[著](KADOKAWA)

9位 『禁忌の子』山口未桜[著](東京創元社)

10位 『二人一組になってください』木爾チレン[著](双葉社)

〈文芸書ランキング 5月13日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2025年5月17日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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