【話題の本】『量子超越』ミチオ・カク著 斉藤隆央訳 ビジネス街の教養書

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量子コンピューターは社会にどのような変革を起こすのか。物理学者が未来を予測した本。量子力学の原理を用いて複雑な計算を行う新しいタイプのコンピューターによって、実現できる「かもしれない」ことを具体的に検討しており、なぜ世界中で量子コンピューターの開発競争が激化しているかが分かる。

例えば、パンデミックの早期警報システム。感染症の流行を追跡する方法の一つとして下水の分析があるが、膨大な数の下水道からデータを集めると、従来のコンピューターでは処理しきれなくなる。「干し草の山でなくした針を見つける」ようなデータ分析には、量子コンピューターが秀でているという。不老不死や地球外知的生命の探索といった夢のあるテーマも取り上げている。

昨年12月25日に発売。NHK出版によると、「ポピュラーサイエンス書としては異例の売れ行き」を記録した。これまでに4刷1万2000部を発行。ビジネス街の書店で広いスペースを使って陳列され、幅広い世代に読まれている。同社では、好調な要因として「経済やエネルギー、AIといったテーマについて現状と課題が整理され、教養書としてビジネスパーソンが興味深く読める内容」などを挙げている。(NHK出版・2860円)

寺田理恵

産経新聞
2025年5月17日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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