「お風呂に入らず、勉強もしません」不登校の子どもの親から相談 専門家が答えた“やってはいけないこと”

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『誰にも頼れない 不登校の子の親のための本』より

欲求を満たすのには順番があることを説明する有名な理論です。

マズローの欲求5段階説は人の欲求を説明する心理学の理論ですが、不登校の子どもの行動を理解することにも役立ちます。

欲求は5段階のピラミッド型で説明することができます。

1段階:「生存の欲求」、生きるために必要な欲求です。睡眠、食欲、排泄などです。この基本的欲求が満たされないと次の欲求を満たすことはできません。

2段階:「安全の欲求」、身の危険を感じないようにしたいという欲求です。健康、心、身体、経済的な安定などです。

3段階:「社会的欲求」、仲間とつながりたい、社会から受け入れられたいという欲求です。

4段階:「承認欲求」、他者から尊敬されたい、称賛されたいという欲求です。

5段階:「自己実現の欲求」、自分らしくありたい、理想とする生き方をしたいという欲求です。

マズローの理論では、欲求は1段階から順に上に進んでいきます。

つまり、生存の欲求が満たされたら、2段階目の安全の欲求に進みます。

1段階目の欲求が満たされない状態では2段階目に進むことはありません。

また、ひとつの段階を飛び越して次の段階に進むこともありません。

ひとつずつ順番に進んでいくのです。

さて、子どもはいま、何番目にいると思いますか。

不登校になって家にいることを考えれば、2段階目の「安全の欲求」を満たそうともがいている段階ではないでしょうか。

健康面、精神面での安全が満たされていない状態、つまり、子どもにとっての世界は学校が安全な場所ではなくなっているということです。

マズローの理論でいえば、勉強したいという欲求は3段階以降の段階で生まれます。

勉強をしてもらうには、その大前提である安心できる居場所(家庭環境)づくりが大切というわけなのです。

勉強より親子のコミュニケーションの積み重ねが先

身だしなみまで気が回らず、勉強するパワーも枯渇している子どもに対し、保護者が理解の姿勢を表すことが、子どもが安心感を取り戻すための一歩になります。

不登校の解決には、こうした親子のコミュニケーションの積み重ねによって子どもに徐々に自信と安心感をつけさせていくことが重要です。

子どもが元気でいられるにはどうすれば良いのか、保護者には迷いや葛藤がつきまとうことも多いですが、親からの働きかけで子どもが変化することもあります。

現代はオンライン学習など色々な選択肢があり、勉強の遅れはあとからいくらでも取り返せる時代。

子どもの状態が落ち着くまでは、子どもが何を考えているか、どんなことを求めているかに着目して、子どもとの新しい関係を築くことに集中してもよいかもしれません。

野々はなこ(不登校専門家/ウェルビーイング教育コーチ)
大阪府生まれ。大学を卒業後、高校教師を務めて30年以上。担任、保健室担当、特別支援教育コーディネーターとして不登校、発達障害やメンタル不全の生徒たちと長年関わってきた経験を持つ。プライベートでは子ども2人が不登校になったが、心理学や脳科学、栄養学などを学び、それらを子どもの教育に取り入れたことで2人とも大学進学するまで回復させることに成功。不登校の子を持つ母親としての経験と、教育のプロとしての経験をノウハウ化した「不登校回復講座」は口コミで話題となり、全国各地から受講者が訪れる。不登校で悩む保護者を応援するために改善の秘訣を発信しているブロガーであるほか、ウェルビーイング教育の普及活動も行っている。

あさ出版
2025年6月2日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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