【話題の本】『アウト老のすすめ』みうらじゅん著

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■加齢の恐怖 吹き飛ぶ

イラストレーターなどの肩書で産経新聞に「収集癖と発表癖」を連載中の著者が、『週刊文春』連載のエッセーを書籍化した第7弾。発売から1カ月で7刷と好調だ。

書名の「アウト老(ロー)」は「ゆるキャラ」「マイブーム」の命名でも知られる著者の造語で、はみ出し老人のこと。67歳の著者が老いの日常や妄想、来し方などをつづった95編を収録。老化現象に気付いてもシリアスにならず「老いるショック!」と駄じゃれを言ってやり過ごしたり、白髪交じりのひげを伸ばしステッキを持つなど若作りの逆をいく「老けづくり」に精を出したり。老いを面白く生きるスタイルを披露する。

編集担当の臼井良子さんによれば、「ユーモアのある老いへの哲学に勇気づけられた」「年をとるのが怖くなくなった」などの反響が届いている。ヒットの要因は「変に若作りせず、年相応に生きるのがいいという時代の流れに合ったのかも」と臼井さん。読者は女性がやや多く、50代が中心だが、東京・渋谷の書店で開いた出版記念フェアでは若者たちが長い行列をつくった。

往年の映画、ドラマ、音楽、漫画やブームに関するネタなど懐かしい話題も満載。抱腹絶倒で老いを吹き飛ばせそうだ。(文芸春秋・1540円)

三保谷浩輝

産経新聞
2025年5月31日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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