YUMEKI(ユメキ)「僕は決して天才ではない」…話題のダンサーが初フォトエッセイで明かした過去 『ONE DANCE 世界で夢を叶える生き方』試し読み
試し読み
-
- ONE DANCE
- 価格:1,980円(税込)
【関連記事・写真】「なぜか涙が溢れて…」YUMEKI(ユメキ) サバイバル番組の過酷すぎる裏側を明かす
小学6年生でダンスに出会った少年は、今や世界的に活躍するダンサー・振付師となった。1999年11月に神奈川県で生まれたYUMEKIは、2023年に『PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS』のダンスストレーナーを務め、一躍脚光を浴びた。当時はまだ23歳だった。
世界での活躍の裏には、どんな努力があったのか。自身についてあまり多くを語ってこなかったYUMEKIが、初フォトエッセイ『ONE DANCE 世界で夢を叶える生き方』(新潮社)で、その過去を明かしている。
ダンスを始めた幼少期、アメリカへのダンス短期留学、中国でつかみ取ったチャンス、韓国の1MILLION時代。また、恩師である仲宗根梨乃や仲間たちとのエピソードもプライベート写真を交えて紹介。そして、『PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS』で練習生の頃から指導してきたME:Iと共に、世界を目指す姿にも迫る。
さらに、ダンスをしながら撮影に挑んだ躍動感あふれる撮りおろし写真も多数収録! 今話題沸騰のYUMEKIの素顔が垣間見られる同書より、冒頭と目次を特別公開する。
***
はじめに
今から14年前。小学校低学年の小さなキッズがキレキレに踊っているダンス教室の最後列に、頭一つ大きく、ひときわ動きが鈍い初心者の男の子がいました。
その8年後、彼は19歳。BTSさんのダミーダンサーを務め、韓国NO.1ダンススタジオの講師になりました。そして25歳になった今は、日韓の有名アイドルの楽曲に振付師として携わり、華々しくデビューするK-POPアイドルをディレクションし、世界に注目される音楽授賞式のステージを任されています。
その彼こそ、僕、YUMEKIです。
職業は振付師。日本や韓国を中心に、ダンスというフィールドで世界を舞台に活動しています。
そう、僕のダンスキャリアは14年。昨今は2歳、3歳でダンスを始める子も少なくないのに、始めてたった数年であのBTSさんのダミーダンサーを任され、10年ほどで世界を相手に仕事をさせていただくまでになりました。
そんな僕を、人は「天才」と言うかもしれないし、「やたら運が良い人」と言うかもしれません。自分でも確かに、「持っているな」と思うことは多いけれど、決して「天才」ではありません。ただ一つ自信を持って言えることは、
“夢を叶えるためにチャレンジし続けている”
ということ。YUMEKIの本名は「夢生」。その名の通り、夢に生きています。
夢をこれから叶えたい人、夢の実現を目指して走っている人、夢なんてと諦めている人、夢に挫折した人……世の中には、十人十色の夢との向き合い方があるでしょう。
本書を通じて、そんな皆さん全員の心に「夢」という希望を感じてもらえたらと思います。
さあ! YUMEKI流、夢の叶え方レッスン、スタートです!
『PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS』に僕が出る!?
この本を手に取ってくれている多くの方にとって、僕を知るきっかけになったのが『PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS』だと思います。
僕の元に出演の依頼が届いたのが、 2023年の初めのこと。その直前までダンスのサバイバル番組『STREET MAN FIGHTER』(以下、スメンパ)に、バトルする側で出演していました。その番組を韓国の大手エンターテインメント企業のCJ ENM傘下のMnetが制作していたというご縁で、その制作スタッフの方から、突然連絡をいただいたんです。
「YUMEKIさん、日本版の『PRODUCE 101 JAPAN』のシーズン3があるんですが、出演しませんか?」
『PRODUCE 101』と言えば、韓国の国民的なアイドルのオーディション番組。101人の練習生の中から、11人のデビュー組を決めていくのですが、視聴者投票型、サバイバル形式なのが特徴です。
それを聞いた僕は、
「せっかくのお話ですが、今はアイドルの練習生としてのオーディションはお断りしてるんです」
と頭を下げました。というのも、第7章でも詳しくお話ししますが、スメンパ撮影期間が自分の人生で最もズタボロになっていた時期で、そこからわずか3カ月後くらいの連絡だったこともあり、正直立ち直れていなかったからです。とても、過酷なサバイバルに再び参加する気になんかなれなかった。そんな経緯があり、スメンパ出演中に練習生として出演オファーが来ていた『BOYS PLANET』もお断りしていました。だから正直、「またか」と。ありがたいけれど、なぜ練習生としてのオファーばかり……って気持ちになりかけたそのときです。
「違いますよ、トレーナーのほうですよ! そもそもオーディションは女の子向けですし(笑)」って! 「勘違いして恥ずかしい」を飛び越して、ひっくり返りましたよ。だって、オーディション番組のトレーナーって、韓国でも大御所の方がやるもの。プロとして最低でも10年以上のキャリアがあり、その道で認められた人にしか声が掛からないという、こんな若造の自分からしたら雲の上の仕事なんです。だから冷静に考えて、ダンスをちょっと教えるくらいの裏方の仕事かなと思ったんですが、よくよく話を聞いてみると、僕がこれまで数々のオーディション番組で見てきたダンストレーナーの方々と同じポジションだって言うじゃないですか! 迷わず、「やります」と即答です。だって、当時の目標は偶然にも“オーディション番組の審査員やトレーナーをすること”。こんな夢みたいな巡り合わせ、ありませんよね。スケジュール? 一つも確認していません。だってその瞬間、やるって決めたんで。
そもそもオーディション番組が好きで、韓国のも日本のもよく観ていました。特に『PRODUCE 101』は夢中になって観ていましたし、日本版が放送されると聞いたときは驚いて、韓国で放送されたものを後から全部視聴しました。だから僕にとっては願ってもないチャンス。断る理由なんて一つもありませんでした。
後から、なぜ僕をトレーナーに抜擢してくれたか聞いたんです。するとスメンパでの僕の個性や、韓国にいる日本人というバックグラウンドに面白さを感じたからだと。当然、制作陣の中には「ベテランに依頼しなくていいのか」と反対する人もいたそうです。しかし、プロデューサーさんは、実績のある番組だけれど、今回は今までに見たことのないような番組にしたいという意気込みを強く持っていたとのこと。そこで、ダンストレーナーには韓国で活動している旬な人を起用し、K-POPに憧れている若い練習生たちに、日本ではできないレッスンを展開したいということで、「私はYUMEKIのことを信じて任せてみたい」と説得してくれたそうです。本当にありがたいことです。多分、僕に声をかけてくれるまでにさまざまな選択肢があったと思うんですが、それでも僕を信じて選んでくれた。その気持ちに応えたいと思いました。
「数カ月単位でスケジュールが欲しい」
「はい、わかりました」
こうして、2023年はこの番組に捧げる気持ちで挑みました。
YUMEKIの 夢★叶 ワード
運命を変える瞬間、スケジュール確認など不要
YUMEKI(ユメキ) 振付師・ダンサー。本名・竹中夢生(たけなか・ゆめき)。1999年11月12日生まれ。神奈川県横浜市出身。2019年に韓国のトップダンススタジオ「1MILLION DANCE STUDIO」の専属振付師に、2023年には『PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS』のダンストレーナーに抜擢される。日本、韓国の有名アーティストの振付やステージディレクションを多数担当。2025年5月現在は世界的アーティストが多数所属する「JAM REPUBLIC」に所属。振付を担当した代表曲に『WANNABE』(ITZY)、『Click』(ME:I)などがある。
株式会社新潮社のご案内
1896年(明治29年)創立。『斜陽』(太宰治)や『金閣寺』(三島由紀夫)、『さくらえび』(さくらももこ)、『1Q84』(村上春樹)、近年では『大家さんと僕』(矢部太郎)などのベストセラー作品を刊行している総合出版社。「新潮文庫の100冊」でお馴染みの新潮文庫や新潮新書、新潮クレスト・ブックス、とんぼの本などを刊行しているほか、「週刊新潮」「新潮」「芸術新潮」「nicola」「ニコ☆プチ」「ENGINE」などの雑誌も手掛けている。
▼新潮社の平成ベストセラー100
https://www.shinchosha.co.jp/heisei100/
関連ニュース
-
上白石萌音が解説「愛おしい気持ちでいっぱいになる作品」本屋大賞受賞作『そして、バトンは渡された』文庫化
[ニュース](日本の小説・詩集/ライトノベル)
2020/09/12 -
稲垣吾郎「ラブドール」を「家に欲しい」?! 篠山紀信が撮影した人形写真集を絶賛[ゴロウ・デラックス]
[ニュース/テレビ・ラジオで取り上げられた本](写真/作品集)
2017/09/09 -
吉田鋼太郎「蜷川幸雄との仕事」 聞き手・山口宏子
[イベント/関東]
2016/01/06 -
現役東大・京大生がスゴイと思う本 ベスト30が発表!
[ニュース/テレビ・ラジオで取り上げられた本](日本の小説・詩集/海外の小説・詩集/古典)
2016/02/18 -
瀬戸内寂聴「今夜死んでもおかしくない」97歳で綴った「遺言」に込めた思いを語る
[ニュース](政治/倫理学・道徳/家事・生活/心理学)
2019/11/30