主人公は「ほぼ僕です」元KAT-TUN・上田竜也 仲間・チームへの思いをのせた初小説がベストセラーランキングに登場[文芸書ベストセラー]

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 7月1日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文芸書第1位は『カフネ』が獲得した。第2位は『無職転生 ~蛇足編~3 ジョブレス・レッドカーペット』、第3位は『この声が届くまで』となった。

 3位に初登場の『この声が届くまで』は、元KAT-TUNの上田竜也さんによる初の小説。結成から10年を迎えるも、世間の注目を浴びることなく活動を続けてきたバンド「zion(シオン)」のメンバーたちが、ぶつかり合いながらも憧れの武道館を目指す、熱い青春群像劇だ。高校時代からの仲間たちが挫折や衝突を繰り返しながらも、同じ夢に向かって進んでいく姿は、上田さん自身のグループ活動とも重なる。

 上田さんは公式サイトのコメントで、この作品を書き始めたのは約10年前、3人目のメンバーが脱退することが決まった頃だと明かしている。《大切にしてきたグループは幕を閉じてしまいましたが、この本には僕がずっと感じてきた仲間のあり方、実現していきたかった夢が込められています。うまくいかないことがたくさんあるこの世の中で、登場人物たちはたくさんの課題にぶつかり、悩み、もがき、仲間と乗り越えようと進んでいきます。この物語が皆さんの心に寄り添い、力になれたら嬉しいです。》と語り、創作とグループへの思いをにじませている。さらに、主人公・龍については《ほぼ僕ですね》とも明かしており、自身の経験や思いを強く反映した作品であることがうかがえる。

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1位『カフネ』阿部暁子[著](講談社)

一緒に生きよう。あなたがいると、きっとおいしい。やさしくも、せつない。この物語は、心にそっと寄り添ってくれる。最愛の弟が急死した。29歳の誕生日を祝ったばかりだった。姉の野宮薫子は遺志に従い弟の元恋人・小野寺せつなと会うことになる。無愛想なせつなに憤る薫子だったが、疲労がたたりその場で倒れてしまう。実は離婚をきっかけに荒んだ生活を送っていた薫子。家まで送り届けてくれたせつなに振る舞われたのは、それまでの彼女の態度からは想像もしなかったような優しい手料理だった。久しぶりの温かな食事に身体がほぐれていく。そんな薫子にせつなは家事代行サービス会社『カフネ』の仕事を手伝わないかと提案する。食べることは生きること。二人の「家事代行」が出会う人びとの暮らしを整え、そして心を救っていく。(講談社ウェブサイトより)

2位『無職転生 ~蛇足編~3 ジョブレス・レッドカーペット』理不尽な孫の手[著](KADOKAWA)

取り返しのつかない失敗と、その先にある人生と――ビヘイリル王国での決戦の末、勝利したルーデウス・グレイラット。彼と彼を取り巻く人々のその後を描く物語集『蛇足編』。シリーズ第三巻は、ルーデウスの息子アルスの駆け落ちを巡る長編『ジョブレス・レッドカーペット』を収録。家族の最も大きな危機がルーデウス・アルスの両視点で描かれる特別編!決戦の後にも人生は続く――。その先にルーデウスは何を思い、何を為すのか……。人生やり直し型転生ファンタジー、本編のその後を紡ぐ物語、シリーズ第三弾!(KADOKAWAウェブサイトより)

3位『この声が届くまで』上田竜也[著](KADOKAWA)

構想から約10年。上田竜也が仲間を想う心を小説にのせる――。世間から注目されないまま10年、そんな中でメンバーの一人・マサが脱退。学生時代からの仲間である龍、ヒロト、誠一郎、毅志で組んだバンド「zion(シオン)」は窮地に立たされていた。マネージャーの光、幼馴染の七海とともに最後の望みをかけてメンバーは一念発起、バンドとして成功をおさめるために団結力を高めていく。しかし、彼らの前にさまざまな困難が立ちはだかる。「ここで諦めたくねぇんだ!まだ自分の夢を諦めたくねぇんだ。俺はお前らと……他の誰でもねぇ!お前らと!やっぱりテッペン目指したい」(本書より引用)バンド活動に全力で立ち向かい、憧れの武道館を目指す物語。(KADOKAWAウェブサイトより)

4位『クロエとオオエ』有川ひろ[著](講談社)

5位『佐々木とピーちゃん 11 大冒険! 異世界でダンジョン攻略、はじめました ~工事現場から太古に滅亡した文明の遺跡が出土しまして~』ぶんころり[著](KADOKAWA)

6位『フロントライン』増本淳[著](サンマーク出版)

7位『パズルと天気』伊坂幸太郎[著](PHP研究所)

8位『チョコレート・ピース』青山美智子[著](マガジンハウス)

9位『謎の香りはパン屋から』土屋うさぎ[著](宝島社)

10位『神達に拾われた男 17』Roy[著](ホビージャパン)

〈文芸書ランキング 7月1日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2025年7月5日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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