「学歴ないんだから本くらい読めば?」ナチュラルに見下してくる同僚から離れられた行動とは? 認定心理士が紹介

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職場でモヤモヤが止まらない(Image by PhotoAC)

朝、目が覚めた瞬間から、

「あの人、また何か嫌なこと言ってくるんじゃないか……」

というネガティブな考えがよぎり、

「昨日のあの態度、本当にひどかった……」

とモヤモヤが襲ってくる。

そんな経験はありませんか?

キライならキライで、あっさりとその人のことを頭の外に追いやってしまえる人はいいのです。

問題なのは、キライなのにその人のことで頭が占領されること。

いくら気にしないようにしよう、と思っても、同じ職場にいる、子ども同士は仲良し、習い事で顔を合わせる……など、どうしても出会ってしまう場合には、どうしたらいいのでしょう。

その対処法を提案しているのが、日本心理学会の認定心理士を取得している堀もとこ氏の著作『キライな人がいなくなる方法』(あさ出版)。

同書からキライな同僚がいるというRさんの事例を参考に対処法を見てみよう。(以下、同書から一部抜粋・編集した記事です)

ナチュラルに見下してくる同僚


「キライな同僚がいる」という、Rさん。

たとえば、こんなことがあったそうです。

休憩中に何人かで大河ドラマの話をしていたとき、Rさんが「あまり歴史に詳しくなくてわからない」と言ったところ、ある同僚が勝ち誇ったようにこう言ってきたのです。

「日本人なのに、日本の歴史を知らないなんて信じられない! あなたはただでさえ学歴がないんだから、知識と教養は身につけるべき。本を読んでいない証拠!」

Rさんは皆の前で否定されたことに傷つきました。特に、「学歴がない」と言われたのを、見下されたように感じてひどくショックでした。

この同僚は、自分の中で「これが正しい」と思っていることを、押し付けてくるタイプ。

そして、あくまで仕事上の関係なのに、プライベートなことにまで首を突っ込んでくるタイプです。

そんなこともあり、朝、職場に行く準備をしている時から憂鬱でなりません。通勤途中の電車の中でも、

「今日も否定されるんじゃないか」
「どうせ心の中ではバカにされているんだ」
「早く配置換えになればいいのに」

と心がすでに疲れています。

そしていつも心の中で、

「日本人でも、歴史に興味がない人だっていて当たり前だ」
「学歴のことを言われたとき、言い返せばよかった」
「でも同僚より学歴は低いから、言い返しても負け犬の遠吠えにしかならないし……」

と、あれこれ考えて、気づけばRさんの心の中を大部分、占領してしまっています。

占領されているということは、心の中で、その「嫌な同僚のこと」に費やしている時間が多い、つまり、支配されているということです。

このとき、何が起きているのか?

(1)無駄なエネルギーの消耗

「次に何か言われたらこう返そう」

とシミュレーションを繰り返し、

「どうしてあの人はあんな態度を取るんだ」

と相手の言動を考え続けてしまい、心が休まりません。

(2)本来の楽しみを奪われる

何をしてもその出来事が頭をよぎり、楽しめなくなってしまいました。

好きな本や映画に集中できず、リラックスする時間がありません。

(3)仕事や生活の質が低下する

イライラやモヤモヤに気を取られ、仕事の効率が落ち、ミスが増えてしまいました。

家事に取り組む気力も失われ、部屋は散らかったまま。

何をするにも、同僚の嫌な言動が頭をよぎり、Rさん自身も、

「まるで自分の頭の中に同僚が住んでいるみたいで嫌だ」

と、心の疲れを実感していました。

キライという感情にとらわれることは、心を重くし、人間関係の可能性を狭めてしまいます。

このままキライに振り回される人生を送るのか? Rさんは思いました。

「このままでは、自分の人生が台無しになってしまう気がする」

では、どうしたらよいのでしょう。

だれもが持つ「3つの選択肢」

人間関係や仕事など、どんな状況でも、何か問題が起きたときに私たちは「3つの選択肢」を持っています。

(1)相手に言って変わってもらう

(2)何もしない。現状維持。自分が我慢する。諦める。

(3)自分が変わる。

どの選択肢を選ぶのかは、時と場合、相手と内容によってその都度変わります。

常に「私の選択肢は3つである」と、いったん立ち止まることで、考えるより先に行動してしまうような「暴走」がなくなり、取り返しのつかないことをしたと後悔することや、あちこち走り回って帳尻を合わせることがなくなります。

Rさんの選択は?

さて、「3つの選択肢」をRさんの場合に当てはめると、次のようになります。

(1)相手に言って変わってもらう

同僚に「そういう言い方をされると嫌な気持ちになるから、やめて」と言う。

(2)何もしない。

今まで通りに嫌な思いをしたまま過ごす。

(3)自分が変わる

転職するか、自分の考え方や行動を変える。

「選択肢1を選んで、同僚に何か言ったとしても、相手の方が頭の回転が速いので言いくるめられてしまいそう。選択肢2は、絶対に嫌です。もうこんな気持ちになるのはごめんだから、選択肢2は却下」

「転職も考えたけど、同僚以外に仕事で不満なことはありません。たった1人のために仕事を辞めるのはもったいないし、良い転職先が見つかるかどうかもわからない。自分の考え方や行動を変えられるのなら、それを変えたいです」

Rさんは、「自分が変わる」ことを選択しました。

その後

自分が変わることを決めたRさんは、どうやって行動や思考を変えていくか考えて、次のように変化させました。

「もう同僚のことでイライラしたくないので、休憩時間は別行動をとることにします。避けていることがあからさまにならないように、この時間を使って好きな映画の原作本を読もうと思います」

話をするとイライラすることが分かっていて、それが休憩時間に起こるのであれば、その時間を減らしてしまえばいい。

とはいえ、同僚という関係は続くので、あからさまな態度も関係を拗らせかねません。

距離を取ったことが不自然にならないように、新しいことを始めました。

結果として、こんな副産物もあったようです。

「あれから映画の原作を読むことにハマってしまい、映画を見て、小説を読んでと、毎日が趣味で忙しいくらい」

と笑顔で話してくれました。

こうしてRさんは、同僚と物理的な距離を取ることで、心の距離も取ることに成功しました。

また、「キライな人」に使う時間をやめて、自分のために使う時間を増やしたことで、新しい趣味に出会うことができ、人生がいっそう輝き出しました。

人生は決定、決定はトライ&エラー

今回、Rさんは「自分が変わる」を選択して成功しましたが、選択肢はひとつではありません。

どの選択をするのかも、その都度変わります。

人生は決定であり、決定は常にトライ&エラーです。

目的を達成するためにさまざまな方法を試し、失敗を繰り返しながら目標達成に近づいていくのです。

あなたの尊敬するあの人も、人生うまくいっているように見えるあの人も、そして、私も、みんな、トライ&エラーを繰り返しているのですね。

「キライな人」に悩んだときには、ぜひ「3つの選択肢」を思い出してみてください。

堀もとこ(ほりもとこ)
認定心理士/人間力アップコンサルタント。三重県四日市市出身。1979年生まれ。超が付くほどのネガティブ思考を克服した経験をもとに、心理学をベースとした「折れないメンタルの作り方」や「言葉が変われば未来が変わる」「心のコントロール法」などを伝える人間力アップコンサルタント。小学生のころに見たTV番組『それいけココロジー』で心理学に興味を持ち、将来は心に関わる職につくことを決意。大学では少年犯罪を中心に研究を続けるが、メンタルに不調をきたし大学院進学を諦める。2011年、東日本大震災が発生。多くを失ってもなお懸命に生きる人々から勇気をもらい、どんな状況でも負けずに前を向くのに大切なのはやはり心だと確信し、心理学の勉強を再開。2018年には日本心理学会 認定心理士の資格を取得。専門学校でのコミュニケーション学講師や、地元FM局でのパーソナリティ、国際的スピーチ大会登壇者への指導などを行い、現在は「講師」「司会者」「コンサルティング」など3つ以上のビジネスエンジンで活動中。「自ら変わる決断をすれば人は幸せになれる」をモットーに、前向きに生きようとする人に向けて、また企業等で職場の人間関係に生かせるコミュニケーション等を広く伝えている。著書『悪口を言われても気にしない人の考え方』(あさ出版)は、海外でも翻訳出版されている。学校保健専門誌『こころと体の健康』(建学社)好評連載中。

あさ出版
2025年8月11日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

あさ出版

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