
第173回直木賞 候補6作品が読めるを試し読み
7月16日に選考会が行われた第173回直木賞は、「該当作なし」という結果で幕を閉じました。
しかし、選考会直後の記者会見で選考委員・京極夏彦氏が「賞にノミネートされた段階で、多くの人が読んで感動していることは間違いない」と語った通り、候補作はどれも素晴らしい作品です。
そんな作品の魅力をお伝えすべく、候補6作の著者と版元のご協力のもと、全6作の試し読みをご用意しました!
Xで候補6作品が30名様に当たる≪プレゼントキャンペーン中≫
さらに、Xでは候補作のプレゼントキャンペーンも実施。各作品を5冊ずつ、計30冊ご用意しました。6作いずれかの試し読みの感想をXに投稿いただいた方の中から、いずれか1冊が抽選で計30名様に当たります! ぜひ、読みたい作品の感想を投稿してみてください。
■応募方法:
[1]XでBookBangの公式アカウントをフォロー
[2]候補6作いずれかの試し読みの感想を「#書籍タイトル」と「#読んで選んで直木賞」をつけてXで投稿
※詳しい条件はBook Bangの投稿をチェック(クリックしてX投稿を見る)
■応募締切:2025年9月25日(木)23:59
それでは、各作品の試し読みと担当編集からの熱いメッセージをお届けします!
▼逢坂冬馬『ブレイクショットの軌跡』試し読み
担当編集から皆様へ
今年で編集者生活35年目に入りましたが、『ブレイクショットの軌跡』ほど多くの書店員さんに絶賛いただき、ここまで熱烈な取材を受けた担当作品はありませんでした。主に、8つの物語の「軌跡」がラストで形づくる「奇跡」のような構成の美しさを評価いただくのですが、本作の素晴らしさはそれだけではありません。どんな人物も、どんな人生も、どんな生き方も取りこぼさない逢坂さんの視線が、あらゆる文章の隅々にまで行きわたっていることが本当の凄さだと思います。その世界のすべてを描き切ろうとする姿勢に対して、文学としての余白がないといった感想も目にしますが、一人の作家のここまで強靭な想いによって構築された世界に余白は必要ないと、少なくとも6回は通読して圧倒された担当編集者は確信しています。
逢坂冬馬『ブレイクショットの軌跡』を読む
https://www.bookbang.jp/article/806746
▼青柳碧人『乱歩と千畝 RAMPOとSEMPO』試し読み
担当編集から皆様へ
本書は、若き江戸川乱歩と杉原千畝が出会う場面から始まります。驚きの設定もさることながら、職もなく、先が見えない若者だった乱歩の言葉は、沁みるものがあります。「俺にもまだ何かができるだろうか」。
青春のひりひりした不安、自分を信じる情熱。まだ何者でもなかった乱歩の姿に、涙がこみ上げるのを抑えられませんでした。
第二話以降、二人の劇的な人生が怒涛の歴史とともに巧みな構成で描かれます。巨匠となっていく乱歩、人道の外交官になる千畝。やがて戦後。デビュー前の山田風太郎、松本清張などが続々登場します。のちのレジェンドもまた「何者でもなかった」のです。青春小説の香気に再びこみ上げる涙を抑えられませんでした。
そして掉尾を飾る感動の一行。三たび涙した私はいま、一読者として皆様に「物語に心を揺さぶられる経験を、ぜひ」と思っているのです。
逢青柳碧人『乱歩と千畝 RAMPOとSEMPO』を読む
https://www.bookbang.jp/article/806554
▼芦沢央『嘘と隣人』試し読み
担当編集から皆様へ
近年のミステリ・ランキングの常連である芦沢央さんの最新作『嘘と隣人』。本作は刑事を定年退職した平良正太郎が事件に巻き込まれ、解決していく連作短編です。主人公を現役ではなく“退職後”の刑事にした理由について、芦沢さんは「過去と現在で事件に対する向き合い方が明確に異なる人物を書いてみたかった」からだと明かしています。
今回は、「かくれんぼ」と「アイランドキッチン」の2篇の冒頭を試し読みでお届けします。スマホのGPSを切っていたにもかかわらず、DV加害をする夫に居場所が見つかり傷害事件が起きてしまった「かくれんぼ」。正太郎が11年前にかかわった事件の意外な真相の可能性に気付く「アイランドキッチン」。どの短編も、“真実”の新たな面に光をあて、人の心の深いあやを描いた作品です。
芦沢央『嘘と隣人』を読む
https://www.bookbang.jp/article/806328
▼塩田武士『踊りつかれて』試し読み
担当編集から皆様へ
SNSで誹謗中傷を行った83人の個人情報をネットにばら撒くというスリリングな復讐劇と、その背景に立ち上がる、一見てんでバラバラな人々の想いを知ったとき、見える世界は変わっているかもしれません。
怒濤の展開の中でほっと一息つかせてくれるのが、「山城法律事務所」の愉快な面々です。同姓同名の俳優・山城新伍に体型まで寄せにいく所長に、自称「刑法と寝た男」(他称「ただ寝てる男」)の弁護士、2人を苦笑いでいなす後輩弁護士……。
日々SNSに溢れ返る心ない文字の羅列も、そんな現状に危機感を募らせ、祈りを込めて塩田さんが紡ぐ文字も同じ「言葉」だと思うと不思議です。
読み終わりたくない、と心から思える一冊、ここにあります!
塩田武士『踊りつかれて』を読む
https://www.bookbang.jp/article/806735
▼夏木志朋『Nの逸脱』試し読み
担当編集から皆様へ
読み始めてすぐ、暗所に引き込まれ誰かに背中を押されたような気分になる。見知った街に突如あらわれた路地裏の深い闇。蠢く隣人の顔、日常の奈落――。金欲しさや人間不信など様々な事情で追い詰められた彼らの行動は、滑稽にして奇抜。だが、逸脱へと傾いていくこの感覚は誰しも覚えがあるのではないか。暴露への誘惑、弱みに付け込む恥ずかしさ、幸福を願いながら修羅へと転じる瞬間の無双。彼らの逸脱行動に、知らぬ間に喝采している自分がいる。頁をめくりながら隣人たちの秘密を盗み見る愉悦に耽っていると、やがて闇の奥から見つめ返される。どの頁にも読者の安全地帯はない。次はどこへ連れていかれるのか。無二の味わいをご堪能下さい。
夏木志朋『Nの逸脱』を読む
https://www.bookbang.jp/article/806378
▼柚月裕子『逃亡者は北へ向かう』試し読み
担当編集から皆様へ
「あれから14年。やっと形にすることができました」本作の刊行にあたり、著者の柚月裕子さんに寄せていただいたコメントです。柚月さんは岩手県釜石市のご出身で、2011年の東日本大震災による津波の被害でご家族を亡くされました。
柚月さんのデビュー当時から、いつか一緒にお仕事をさせていただきたい、とお声がけをしていた新潮社に対し、ご提案いただいたテーマが「震災」でした。「書いた日の夜は辛い夢を見る」など、多くの苦悩もありながら、それらを乗り越え、今年の二月に刊行となりました。
震災の混乱の中、殺人を犯して逃亡する青年と追う刑事。二人が辿り着いた先には何があるのか。柚月さんの決意の物語、その冒頭をお届けいたします。
柚月裕子『逃亡者は北へ向かう』を読む
https://www.bookbang.jp/article/806412
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